会報 No.1
(論説) 唇の周りの適度な緊張について   −口笛はアンブシュアのヒントになる−    (私のスランプ脱出法)貴志清一

 尺八を吹くときには繰り返し「尺八吹奏の基礎」で唇に余分な力をいれない

ことを強調してきましたが、ややもすると”口の周りの筋肉まで脱力する”と 勘違いをし

やすいのです。

実際に唇の赤い部分や息に触れるところは力を入れてはいけないのですが、唇 をとりま

く筋肉(口輪筋)には適度な緊張を持たさなければなりません。

この時、どの程度の力が”適度”なのか、また、唇の周りの筋肉に適度な緊張 を持たせ

ているときに唇に力をいれない状態とはどういうことなのか、初心者の方は必 ず迷われ

ると思います。

この唇の赤い部分に力をいれない状態で口の周りに適度な緊張を保っている状 態を体感

するいちばんよい方法は、

口笛を吹くことなのです。

口笛がよく鳴っているときが、唇に力が入らず、口の周りが適度な緊張を保っ ていると

きなのです。

 その証拠に、口笛を吹いているときに唇のさきに力を入れてみて下さい。

 その瞬間、口笛の音は鳴らなくなります。

口笛がよく鳴っているときの口の中、唇、口の周り、息の流れ等を注意深く意 識して下

さい。そうすれば相矛盾する、

唇に力をいれずに口の周りの筋肉を適度に緊張させる感覚

がだんだん体得できることと思います。

ただし、口笛を吹くときの口の形でそのまま尺八を吹いても尺八は鳴りません 。尺八を

吹くときは口笛を吹くときよりも、ほんの少し唇を横に引いた形になります。


尺八が急に鳴らなくなったスランプ脱出の一方

尺八が今までよく鳴っていて、「我ながらよく音がでているな」と思っている とき、

その後練習しない日が続いたりすると、

「あれ、全くいい音が出ない。初心者のような音でコントロールもきかない」 と気づき、

愕然とした経験はないでしょうか。

 さっそく何とかしようとして

私も恥ずかしいながら、こういう経験をいやという程繰り返しております。

こんな状態の時、あと二週間後に単管で吹く演奏会がひかえているときなど、 もう地獄

の苦しみです。もういっそ、尺八を放り出して「俺は一生尺八を吹かないぞ。 」と大声

で叫びたくなります。

しかし、そうは言っても何とかしなければなりません。その何とかが、唇を締 める・

位置を大きくずらす・竹を削る...ではますます尺八が鳴らなくなります。


 そのスランプ脱出の一番いい方法は

口笛を吹くことなのです。

毎日10分でも20分でもいいですから、息の流れを意識して口笛を吹くので す。唇か

ら余分な力を抜き、口の周りに適度な緊張を保つには口笛が一番のヒントにな ります。

この口笛での感覚でもって尺八を丁寧に吹き、ロングトーン(長く音をのばす )の練習

をして音色を作り、コントロールを身につけます。何週間かすれば、スランプ の状態は

好転するときがあります。

これは私のしているスランプ脱出法ですが、すべての人に当てはまるかはわか りません

が、尺八奏者にとって何かのヒントになることと思います。

まだまだ他によい方法もあると思います。ご存知の方はぜひお教え願えれば幸 いです。

また、この私の方法についてのご意見をお寄せ願いたく存じます。

 参考意見は随時会報誌上に掲載していきたいと思います。


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