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インターネット会報2004年3月号

【論説】   竹を振らないでリズムを取る方法 貴志清一

(2004年4月18日大阪の豊中での演奏会では古典本曲から現代曲までの実演をお聴きいただけます。要項は文末をご覧ください。) 貴志清一  

本会会員の方から 「合奏中、どうすれば竹を振らないでリズムが取れるのでしょうか」 と言う質問をいただきました。  今月はこの問題について一緒に考えたいと思います。  さて、言葉尻をとらえて大変恐縮なのですが、「竹を振らないでリズムを取るには、竹以外のものでリズムを取ればいい」と言うのが答えではないでしょうか  しかし、それでは竹以外ではどこでリズムを取ればよいのかという問題が出てきます。 その回答として良く言われる方法が「足」を使う方法です。足でリズムを取る人はたくさんいます。しかし、このやり方では足を上下しますので疲れてくるとテンポがだんだん遅くなったりします。また、第一、見た目が悪いと思います。  それを解消する方法は、「足の親指」でリズムを取る方法です。  これが一番わかりやすいものです。  しかし、これも体の特定の場所を動かすと言うことで、とくに正座の時などは使いにくいですね。  それでは体を左右に揺すってとるのでしょうか?  それも違います。  最終的には「リズムは心(頭)でとる」ものです。  心の中でリズムを刻んでいれば、疲れると言うことはありません。しかも自分の心で刻んでいるので微妙にテンポを変えることもできます。それは音に生命を与えることにもつながります。  

最初は「1と2と」とか「1と2と3と4と」、また「121212・・」と声に出し、それをだんだん心の中で唱えるように何年も訓練します。もしこれができたなら、名演奏への第一歩を踏み出したことになります。  また、言葉では表しにくいのですが、息もリズムを取る重要な鍵です。  その曲のテンポの拍で息をとるのです。「春の海」でも宮田耕八朗氏の「雨の水前寺」でも、箏が前奏を弾いているとき「1と2と3と4と」の4で息をとり、「と」で素早くさらに吸いハローと吹いていくのです。  「春の海」や「雨の水前寺」の中間部・速いところは心でリズムを感じるのは当然ですが、息もきちんと半拍分「すっ」と取るのです。  これは管楽器の専門家は勿論、バイオリンなど弦楽器の演奏家も実行していることです。  弦楽器という「息」の要らない楽器ですら「息」で出だしのリズムを取っているのですから、吹奏楽器は当然しなくてはならない大切な技法なのです。  この弦楽器の「息」がよく分かる演奏として、チェロの名手シュタルケルの「無伴奏チェロ組曲(バッハ)」CDを聞いてください。おすすめします。  

尺八に戻って、私自身も息によるリズム取りを実行しています。 また、大変難しいのですが「心の中でのカウント(リズム取り)」を心がけています。  自分自身、はやく完全な素晴らしい「心の中のリズム」を獲得できるように頑張りたいと思っています。  話は飛躍しますが、私の狭い見聞のなかでは、尺八でこの「心の中のリズム取り」が完璧に(無意識に)できている演奏家は故山口五郎先生ただお一人だと思っております。  実地に「息」「心の中のリズム」を説明希望の方は、遠いですが拙宅までお越しください。なにか、感じ取ってもらえることと存じます。  

(お越しの節は、往復ハガキにて日時をお問い合わせください。   大阪府泉南市岡田2−180 貴志清一)   

また、完璧ではありませんが、リズムを感じている実際の私の演奏が4月18日(日)大阪の豊中市で聞いてもらえます。  要項は以下の通りですが、何かの参考になるかと存じますので是非お越しください。  当日は満席になる可能性もございますのでお早めにお越しください。

−−−−−−−−−  菊実和 里 箏リサイタル
日時:2004年4月18日(日) 開場 14;00〜  開演 14:30〜
会場:豊中市立伝統芸能会館  (大阪)阪急宝塚線「岡町」駅より西へ2分 п@06-6850-1313   
入場無料
出演:  菊苑 馨  貴志 清一 菊実和 里
◆ 曲目 鳥のように 雨の水前寺  琴古流尺八本曲    他