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インターネット会報2005年10月号
 【お詫び】
1.「尺八吹奏法T」「尺八吹奏の基礎」等の冊子、また全てのCD、DVDは全て絶版になっています。従いまして、お申し込みになられても対応いたしかねますのでよろしくご留意下さい。
2.ご希望の多い尺八講習会ですが、諸般の事情で現在、開催予定はありません。特に、参加希望のお葉書をいただいた方には申し訳なく存じます。あしからずご容赦下さい。
 なお、その代わりに月に1度「尺八の吹き方クリニック」の日を設定いたしました。
場所は大阪府泉南市です。10月は30日(日)です。
ご希望の際は、「吹き方希望」のハガキをお送り下さい。折り返しご連絡いたします。
 
さて、本月の論説です。

                  全閉甲ロの音色を再発見!
                                         貴志清一
 今回も、なぞめいた言葉で始まります。
ロの音は一二三四五を閉じた音でしょう。全部塞いだ音がロ(ろ)なのですから、いまさら再発見ということはどういうことでしょう。
実は、割合尺八演奏家の中でも甲ロは五孔を少し開けて吹く人は多いのです。中には、”五孔を少し開けていないと馬力がでないでしょう。”という有名な演奏家もいると聞いたことがあります。

もちろん、五孔を少し開けていても音がうわずったりしませんので安定した甲ロが得られることは事実です。しかも、それは一種のコツとして割合広まっているような気がします。
かく言う私も20数年間、五孔を透かした甲ロを使ってきました。連続音の時はさすがに五孔を閉じますが。 そして、実際に五孔を透かしていないと甲ロは音が安定しないことも事実です。初心者は甲ロが全く出ないことはよく見聞きすることです。
 
  しかし、ふとしたきっかけで甲ロを閉じた時に、“これは素晴らしい音色だ”ということに気がついたのです。安定しない甲ロをしっかりした息で支えて良い響きの確実な甲ロにするには我慢と息のコントロールが要ります。それでも、息のコントロールの為に「尺八吹奏理論」を積み上げてきたのだから、という気持ちに支えられてここ2,3週間練習していますと確実な完全に閉じた甲ロがだんだん出るようになってきました。そのすこしさびの効いた甲ロを経験しますと、もう五孔を透かした甲ロが頼りない音に聞こえてくるのです。

 もちろん瞬時に甲ロを発音することはおそらく気柱共鳴上、無理ですので何十分の1秒かは五孔を透かします。しかし、それは一瞬で、後は完全に閉じた甲ロにします。

 今現在、甲ロをみなさん、どのように吹かれているのでしょうか。
もし、五孔を透かして甲ロを吹いている方がいましたら(たくさんいると思うのですが)いちど全閉の甲ロにも挑戦してみてはどうでしょうか。来年の春に第15回の私の演奏会を持つ予定ですが、その時には全閉の甲ロで本曲、その他を吹いてみたいと思っています。
 
〒590-0531 大阪府泉南市岡田2-190 貴志清一