会報 No.13
論説 人前で2、3分尺八を吹くときの曲 貴志清一


(岡本 寛 氏より)頂いたお便りの中で「・・・何か人前で尺八を吹くよう に言われたと
き、何を吹くかということを特集に組んでみると言うようなことがあったよう ですが、その
後提案がありません。
その後、どうしましたか。・・・」と言うよう内容のお手紙を頂きました。  私も気にはな
っておりましたが、会員の皆様からのお便りが一つもなく困っておりました。  そこで、一
つの目安として私が提案させて頂きます。まだまだよい曲や工夫があると思い ますが是非ご
感想等をお知らせ下さい。

・状況を設定しますと、
1、人数は10〜100人くらい
2、伴奏楽器は全くない
3、2、分で終わらなければならない。

曲目
・「鹿の遠音」(抜粋)本格的に聞いてくれるとき・「赤とんぼ」   

尺八を余り知らない人の集まり
・「五木の子守歌」  少し哀愁を帯びた雰囲気で吹く・「花笠音頭」
 
皆さんに手拍子を打ってもらいながら宴席で
・「悲しい酒」 演歌っぽく吹く・「春の海」(抜粋) 

少し堅い集まり
・「コンドルは飛んでゆく」こんな曲もできますという時 以上の候補曲を挙 げましたが、

これはほんの一例です。よい曲があればどんどん事務局まで(楽譜・カセット 付きで)お
送り下さい。
また会報誌上で紹介したいと思います。 尚、「春の海」「鹿の遠音」「赤と んぼ」「五
木の子守歌」「花笠音頭」は有名ですので都山譜、琴古譜を探せば見つかるか と思います
し、「コンドル・」は菊池様が尺八譜を作っています。  上記の曲の演奏し た参考カセッ
トがあります。是非お申込下さい。
※申込は、第2事務事務局 〒39974 長野県 東筑摩郡 四賀村 会田40 21 瀧澤 
天山氏まで ご自分の住所氏名を書いて190円切手を貼った返信用封筒と郵 便為替50
0円分を同封して申し込んで下さい。


情報交換コーナー

同時に長さの違う竹を吹きこなすには? (中島 謙造 氏より) 
民謡の場合、1・3尺から2・3尺までの尺八を吹くことがあり、製管師の違 う尺八ですと、
歌口の違いなどによって鳴ったり、鳴らなかったりします。 また、よく笛も 使うことがあ
り、正確な音を出すことが難しいことがあります。
★私も複数の尺八を吹くときにどうしても鳴らせなくて10年近くも悩んで いました。
解決法は”全く同じ作りで出来た歌口を持つ尺八に揃える”ということです。 しかし、実際
問題としてはこれは不可能に近いわけです。 そこで、対処療法的には会報1 号で書かせて
いただいた通り息返しをつけるということです。竹を細工したくないときはセ ロテープでも
可能です。 
そして、鳴ったり鳴らなかったりする問題はやはり、答えにならないかも知れ ませんが、
”よく鳴る尺八”を使うことです。 幸い私は小林一城氏の竹を使っています ので現時点に
おいては”鳴り”に関しての悩みは全くありません。悩みは、「いかに竹を吹 くこなす、い
い唇・体を手に入れるか」ということです。 また、横笛に関してですが、私 自身よく分か
りませんので会員の皆様の中でお詳しい人は是非お教え下さい。 
以上、お答になったかどうか、私の思うところを述べさせていただきました。 (貴志 清一)

名著「琴古流尺八史観」の紹介 (猪狩 坂夫 氏より) 
普化宗による吹禅の具体的な行い及び”宗教性”といいましょうか教義等、普 化宗に関わる
尺八について知りたいと思っております。
★私も普化宗に関してはあまりよく知りません。これは、登別の 熊野様にお 聞きしたらよ
く分かると思うのですけれど。 私の知る範囲でお答えしますと、まず一番の 参考にしなけ
ればならない本は「琴古流尺八史観」(中塚 竹禅)です。 この本は、琴古 流とは書いて
いますが、内容は普化宗の歴史を丹念に考証しています。特に虚無僧の特権を 保証した徳川
家康の「慶長の掟書き」は偽書であるという考証はこの本の白眉でしょう。家 がお近くでし
たらこの本、お貸しできるのですが。 さて、今尺八本曲を吹くときに「吹禅 」的雰囲気を
外見上出す人がいますが、禅的さとりとは・・ということを追求しつつそのた めに、やむに
やまれず竹の音を借りて修業するという姿勢が必要ではないのでしょうか。 
私などは禅的さとりを尺八を通して追求する心構えがあまり無いものですから 、尺八本曲を
音楽的に意味のあるものと考えて吹いています。 ここまでくると各個人の考 え方になって
きますが、参考として谷北 無竹師のテープなどはたいへん参考になるのでは ないかと思い
ます。又、邦楽ジャーナル1996年6月号に「特集 虚無僧の音楽2」と言 う記事があり
ますので、ぜひ読んで下さい。

(松橋 猛 氏より)(尺八吹奏上悩んでいること) 
「息継ぎをうまくしたいと思っています。息継ぎのせいで出だしが遅れます。 」

息継ぎの仕方 貴志 清一 ★お答えいたします。 厳しいようですが、又私自 身もまだまだ
完全ではあり
ませんが、ハッキリ申しまして、息継ぎのせいで出だしが遅れてはいけないの です。 
出だしが遅れるよ
うな息継ぎをしてはいけないのです。安藤由典「楽器の音響学」に確か載って いると思うの
ですが、尺八に近い割合歯切れのいいフルートでも音の立ち上がりがオーボエ などにくらべ
てかなり遅いという研究があります。まして、フーと吹く尺八のことですから 普通に息をす
って吹いていたのでは出だしが遅れるのは当然です。 考え方を変えて下さい 。息を吐いて
からの、音になる瞬間を音符の始まりだと心に決めて下さい。注意深く自分の 音を聞いて
例えば足でカウントをとりながら4分音符でハ(琴古リ)を4回ほど吹いて下 さい。そして
音になった瞬間と足のカウントが同じになるようにして下さい。 
そういう練習を1年間常にしていれば出だしの遅れが解消するはずです。実際 の感じとして
は音の前に16分音符もしくは32分音符の長さの息の音がきてそれから1拍 目の拍の頭に
音が出るという感じです。 


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