会報 No.14
「口腔前庭はなくても十分尺八はろうろうと鳴る」藤田 閑山


 先日、都山流の本曲講習会で講師の吹き方を観察しました。口角を左右に引 き、唇を薄く
すると言う、よく見かける唇の形でした。口腔前庭はほとんど存在し得ないと 思います。
しかし音色、音量はのレベルを保っておりました。 小生自身は、よい音色を 求める試行錯
誤の途上で、大スランプに陥り、尺八を断念しかかっていたところ、貴志氏の 提唱する「結
果的に口腔前庭の出きる吹き方」を心斎橋の邦楽器店で知り、従来の自分の吹 き方を大改造
しました。 これまで唇を横に引き緊張感をもたせてましたが、「口腔前庭の 出来る吹き方」
は全く従来とは異次元のものでした。唇の緊張感をゼロにするのはやはりコペ ルニクス的転
回です。 しかしかたくなな自我を無にする意識で、新しい吹き方を練習して ましたら、数
カ月ですばらしい音色を手にいれることが出来ました。 今、小生が感じるこ とは、「尺八
の吹き方」は多種多様であると言うことです。 前述ののごとく、口腔前庭が 出来ない吹き
方も一つの方法だし、小生のスランプを解決してくれた口腔前庭が出来る吹き 方も一つの方
法です。 自分の求める音色を可能にする吹き方が本人にとって最良の吹き方 だと思います。 
の吹き方を知らぬままに、一生を終える可能性のある尺八愛好家にもう一つの オプションを
提示している貴志氏の活動はたいへん意義深いと思います。

★★たいへん興味ある報告をいただき有り難うございます。「口腔前庭」とい うのはたいへ
ん便利なものでして、息をコントロールする秘訣ですし結果的に唇に十分な丸 みを与えます。
しかし口腔前庭がなくても唇に十分な丸みを与えることが出来れば尺八は朗々 と鳴ります。
又、それなりに訓練すれば息を自由にコントロールすることも可能です。 お 便りの中の講
師の人には実際にお目にかかっていないのでなんとも言えませんがもし良い音 色を持った奏
者ですとやはり、基本的な整流された息でもって吹いておられることと思いま す。私も「口
腔前庭」が結果的に出来る吹き方を絶対的なものとは考えておりませんしかし 私にとってこ
の「口腔前庭」が大変便利なものですから使っております。唇を左右に引いて 口腔前庭を全
く使わない吹き方でしか出せない音色もあろうかと思います。 

いろんな吹き方を皆さん広く公開して、その中でお互い切磋琢磨しよりよい尺 八吹奏法が生
まれればいいのではないでしょうか。 その意味でこの尺八吹奏研究会・会報 に「口腔前庭
を使わない尺八奏法入門」といった論説もお寄せ下さればどんどん載せていき たいと思いま
す。勿論その説に対する反論もでてくるでしょう。そのような記事を見る中で 、会員の皆様・
ひいては尺八愛好家は自分にあった最良の吹き方を短期間に見つけられればい いと思います。  
お便りを拝見して私の理論が藤田様にとってお役に立てたこと、嬉しく思いま す。


お便り紹介

・邦楽ジャーナル編集部より 「いつも尺八吹奏研究会・会報をご寄贈いただ き有り難うご
ざいます。興味深く拝見させていただいております。(後略)」

・堀 勝三 氏より「飯塚氏の「律譜早見板」は非常に分かりやすく勉強にな りました。」

・渡辺 氏より「会員の皆様の記事を見るにつけても、自分の勉強不足を感じ ると共に、
たいへんよい勉強をしております。特に五線譜についての記事はたいへん参考 になります」

・菊池 氏より「・・・(「毎日のウーミングアップ」)を私はいろいろな方 法でとにかく
毎日最低30分はします。コンスタントにNO.1から最後までとか、1ペー ジのみを丹念
にやるとか。毎回いろんなことを発見しています。例えば、単に ハロ と吹 くだけでも
「唇の丸み」「口腔前庭」の微妙な変化によりロの音が出ないとか、甲乙が交 互にある場合
の音の出方とか、数え切れないほどの自分の欠点や改良法などを発見をして感 動しておりま
す。この「毎日のウーミングアップ」を自分で工夫して活用して欲しいと自信 を持って他人
に勧められます。・・後略・」

二代目 酒井竹保作曲 「明暗」紹介 (東京 O氏より) 会報19号の「 声明と古典本曲」
を興味深く読ませて頂きました。 古典本曲は虚無僧の読経に相当するもので しょうから、
声明と相い和すことは当然なことと思います。(この点では、時間が許される ならもっと勉
強してみたいと思っているのですが) 
さて私の手元に二代目・酒井竹保(故人)が般若心経に合わせた演奏のテープ がありますの
で参考までにお送りいたします。 NHKの邦楽番組にて放送されたものと記 憶しておりま
すが、古いため音がよくないと思います。御了承下さい。ともあれ何かのお役 に立てれば幸
いです。

★(事務局より  貴志 清一) お便り、カセットテープの御提供有り難う ございます。
たいへん参考になり勉強させて頂きました。放送番組ですし研究資料というこ となら著作権
問題にも抵触しないと思いますので第2事務局を通じて希望者に配布したいと 思います。 
万一著作権等で問題になりましたら私が全て責任を負います。その為お便りは 失礼ながら匿
名とさせて頂きました。よろしく御了承下さい。 また会員の皆様方の中で良 い参考資料等
がありましたらお寄せいただけたら幸いです。
※申込は、第2事務事務局 〒39974 長野県 東筑摩郡 四賀村 会田40 21 瀧澤 
天山氏まで
「酒井竹保(故人)が般若心経に合わせた演奏のテープ」希望と明記の上、ご 自分の住所氏
名を書いて190円切手を貼った返信用封筒と郵便為替500円分を同封して 申し込んで下
さい。


尺八吹奏研究会ホームページに戻ります

尺八音楽のより一層の普及・発展のために本研究会を発足させていただきまし た。
尺八奏法に関して、全国の尺八愛好家の皆様の意見交流の場ともしてゆきたい と思います。
ご意見・ご質問・情報・論説をお持ちの方は是非下記にご連絡ください。  


事務局・責任者 〒590-05  大阪府泉南市岡田2−190  貴志 清一