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会報2008年2月号

わが尺八奮闘記

                   2008.1.20 杉本 昇

 初めて会報に登場させていただきます私は、尺八の初心者。何時か上手に吹けるようになりたいと努力して来ましたがなかなかうまく出来ませんでした。K氏の教えを受け、基礎から尺八の練習を始めて約1年、最近やっと「尺八らしい音になってきた」段階です。何度も諦めかけましたが、今は何とか続けようと頑張っています。尺八の難しさに、もう止めてしまおうと思っておられる私と同じような方の参考になればと、筆を取らせてもらうことにしました。

尺八を吹いてみたいという気持ちは以前からあり、借り物の尺八で済ませていましたが、5年ほど前、定年を間近にひかえ本気でやろうと意を決し大枚(?)をはたいて尺八を購入し、練習を始めました。その時は尺八の師範を持つ同僚に教えてもらいました。練習のかいあってある程度の音は出るようにはなりましたが、そこから先がなかなか容易でない。甲音や乙ロ等がなかなか出ず、息が苦しくていつまで経ってもしんどい練習ばかりが続き、尺八はちっとも優しい顔を私に向けてくれないままでした。それでも4年余、何とかものにしようと自分なりの取っ組み合いをしてきましたが、“難しい”の一言。

人の吹いているのを見るたびに、「何であんなに軽々と上手く吹けるのだろう」、それに比べて自分は・・・・きっと自分は尺八には向いていないのだ、とか、この竹が悪いのだと思ったりしていました。

そんな中一昨年の10月、泉佐野で開かれたK氏の「尺八吹奏研究会、演奏と講習会」に参加しました。演奏会はとても感銘を受けるものでしたが、演奏会の後の講習会に思い切って参加したことが私の尺八人生のエポックメーキングとなりました。

腹式呼吸、唇の丸み、口腔前庭、などなど「尺八吹奏法U」に書かれてあることを実技指導して頂き、初歩的な質問にも丁寧に答えて頂き目からうろこが落ちる思いでした。「基本からちゃんとやりたい」「この先生に教えを請いたい」、という思いで何とかお願いしお教え頂くことになりました。

 K氏は尺八教授はされておらず、いわば尺八吹奏研究会の尺八相談日に私が氏のお宅へお邪魔するといった形でしょうか。もう一人私のような形で教えを受けていらっしゃる方がいますが、この原稿を書いています1月は来られていませんので私が氏の唯一の学習者になります。

京都から岡田浦まで2時間、月に2回のペースで稽古を重ね、一年経ちました。勿論今でも満足に音が出るわけではなく、悪戦苦闘状況に変わりはありません。それでも先生には「尺八の音になってきましたね」といわれ、やっと尺八修行のスタートラインに着けたと自覚できるようになりました。甲・乙音も少し吹き分けられるようになり、何よりもそれまでは辛くてしんどかった練習が、無理して力任せに吹くことがなくなり、少しは楽しくなってきています。

一例ですが、よく注意されることに「無理やり音を出さない」というのがある。例えば乙ロ音、出ないのを無理やりやっていると「その音を出さないための練習」をしていることになる。出ないときはサッと止めてリセットする。最初は小さく優しく吹き、音になりはじめてから大きくしていけばいい。頑張って音を出すことを勘違いしていたのだが、これで練習のしんどさが半減し気持ちが楽になりました。

また尺八の音楽性のこともよく注意されることの一つ。初歩のメロディーを練習するときから、その曲の持つ音楽性を大切にしながら一つ一つ丁寧に音を出す習慣を身につけることが大切だと。尺八という楽器の持つ音楽性を忘れず、下手は下手なりに上手な表現を心がけることで、私も苦しいだけの練習から脱け出るつもりです。

こうしてこの1年、徐々に、しんどいばかりの練習から、楽しみを見つけながらの練習に変わってきました。これからも満足できる音が出るまでは何千回何万回の繰り返しの練習が必要だと思いますが、あせらず力まず、楽しみながら尺八とうまく付き合って行きたいと思っています。

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