戻る

会報2008年8月号
・世界尺八フェスティバルWSF08に参加して

・地無し管演奏CD資料配布(¥80切手×6枚同封で)


世界尺八フェスティバルWSF08に参加して

7月4日から8日のオーストラリアのシドニーに招待演奏家として招待され行ってきました。
その世界尺八フェスティバルWSF08に参加してのレポートをまとめました。ご笑覧ください。
                                            神 崎  憲
<尺八コンテスト>
 始めに、オーストラリアのシドニーで行われています世界尺八フェスティバルの尺八コンテストの結果です。
日本の17歳 女子高校生(東京芸大付属高校)、井本蝶山さんが、山本邦山作曲の「秋」で見事に1位となりました。
2位 山越の ジョシュア・スミス(アメリカ・大阪大学大学院生)
3位 鶴の巣篭 ジャスティン・ウィリアムズ(アメリカ)
4位 阿字観 の 張聴(中国) 

井本さん 音色、技術、表現力 ずばぬけていました。永広孝山さんの生徒です。真山銘のすばらしい尺八です。聞くところによると、毎日1時間の練習だそうです。集中しての練習が一時間以上はもたないそうです。
3位4位が僅差とのことでした。
張聴さんは、27歳、6年前から中国上海に何回か行ってますが そのたびに教えてきました。2年ぐらい前から、急に熱心になり今回の本選入賞で、各審査員からもおほめの言葉を頂きました。

審査員は、青木鈴慕師、荒木古童師、川瀬順輔師、宮田耕八朗師の4巨匠に、三橋貴風師、 倉橋義男師、クリストファー遥盟師、デビッド・ウイラー師の8人でした。

<女性の時代に>
7日の昼、S-1 3位までの3人の入賞演奏会がありましたが、井本蝶山さん、1位にふさわしいまたまたみごとな演奏でした。今回のシドニーでは、女性尺八家が多く参加していて、その演奏もすばらしかったです。
S-1入賞はしてませんが、オーストラリアのブロンウィン・キルクパトリックさん「飛鳥鈴慕」を吹かれました。予選が一位だったので期待しておりました。テクニック、表現力は抜群でしたが、音色にわずかなかすれがありました。エリザベス・ブラウンさん 自作で、弦楽四重奏と尺八で「Mirage」 を初演されました。
金子朋沐枝さん 「葦草鈴慕」、松下春山さん 「峰の月」、7日の午後のコンサートで一緒の舞台でしが、お二人とも凛々しい袴姿が似合っていました。尺八は、国際化し、女性が活躍する時代に入りました。

<夜の演奏(1) >
私個人として参考になったのは、尺八の各演奏者の音色の美しさです。
ロングトーンからディミヌエンド、無音にしてゆく息のいれかた、息の維持。弱音、メリ音の美しさ、ユリのないまっす
ぐな音。吹くのではなく息がもれ出てゆく、雑音や息のかすれのない音など。

特に下記の演奏が印象に残りました。
弦楽四重奏と尺八:ジム・フランクリンさんで「Voyage」初演 マーティ・リーガン作曲
弦楽四重奏と尺八:エリザベス・ブラウンさんで「Mirage」自作初演 エリザベス・ブラウン作曲
弦楽四重奏と尺八:難波竹山さんで「Fleeting Moment」 エレナ・ケーツシェルニン作曲
ハープと尺八:三橋貴風さんで「Life in a Day」スチュワート・グリンバウム作曲
ハープと尺八:ライリー・リーさんで「Feather on the Breath of God」 アン・ボイド作曲
ハープと尺八:菅原久仁子義さんで「Demios」 サイラス・モラント作曲
太鼓と尺八で:野村峰山さんで「The Root of the Wind」初演 フランセス・ワイト作曲
打楽器と尺八:田辺洌山さんで「The Place We Go」初演  ラクラン・スキップワース作曲
ディジュリドゥ・打楽器と尺八:田辺頌山さんで「Tyalgumマントル」 ロス・エドワーズ作曲

西洋楽器と対抗して、いずれも演奏者の尺八の音色の美しさが際立っていました。これらが、ホール全体に響き聴衆を魅了したように思います。クラシック曲の中の、フルート、クラリネットを超えたのではと思いました。

世界の尺八奏者に吹いて欲しいので、楽譜を提供する用意があるとのことでした。

<夜の演奏(2) 巨匠たちの会 >
WSF08 4巨匠の夜の演奏が 7月7日シドニーのシティリサイタルホールでありました。 
参加者全員での「手向」につづいて、
宮田耕八朗師 「キビタキの森」箏:渡辺治子師 小鳥たちのカデンツア真似出来ませんね
荒木古童師 「雁音柱--砧巣篭」いぶし銀のような演奏。
川瀬順輔師 「残月」箏:安藤政輝師、三絃:藤井昭子師。下弦の月の夜の名演でした。
青木鈴慕師 「阿字観」 気迫のこもったすばらしい演奏でした。

<シドニーの食事>
ワークショップ・コンサート・リハーサルで朝9時から夜10時まで、予定がはいり、昼は弁当、夜は10時ごろになるとレストランが閉店のところがおおくて、店を探すのが大変でした。
5日は、志村哲さん、芸大の宮前さんとホテル近くの店で、オージービーフ350gをA$28を食しました。美味しかったです。
6日は、三橋師匠・張聴さん・ハワイ在住の周さん・キャンベラ在住のルパートさんと一緒にチャイナタウンに繰り出して、「重慶飯店」で午後10時半から、美味しい中華四川料理を、
これに味を占めて、7日は宮田師匠とその教室の仲間たち(ご婦人)8人で、またまた「重慶飯店」で会食しました。よく知った人ばかりなので、コーリャン酒を頂き酔っ払ってしまいました。お腹一杯食べて8人でA$240 安かったです。
8日夜はディナークルーズで、8時出航で参加者全員の会食パーティ。豪酒というオーストラリアのお酒とサーモンを頂きました。

<感動した演奏 >
志村禅保さん 3尺3寸の超長管(ほぼ100cmの長さ)で、古典本曲「瀧落ち」を演奏されました。尺八の2孔は右手親指で動かしての演奏でした。超ロングトーン、弱音、無音、息のコントロールに感心しました。 出てくる音は、よく練られた息から出てました。吹くのではない、漏れてくる息つかいが、さらに緊張感を感じさせてくれました。音が鳴ってるあいだ、こちらも息をせずに聞きいりました。

尺八は自作ですかと尋ねると、ある製管師の看板としていた尺八を譲り受けましたとのこと。わたしも、とりあえず、水道管で作って吹いてみたくなる3尺3寸の超長管です。

<世界の尺八トップランナーは> 
S−1コンテストの出場者は30歳前でしたが、今回多くの演奏を聴いて、日本人以外で、誰がトップランナーを走ってるのか考えてみました。
ピーター・ヒルさんですね。 シアトル在住。 尺八歴15年。
2002年第4回尺八新人王決定戦の優勝者。
今回、「古傳巣籠」、「鹿の遠音」を演奏。抜群のテクニックと吹奏力でした。
彼は、今中国語を勉強しているとのこと、日常会話はOKでした。古管の収集もしていて、本人の使っている尺八は、三浦琴童管でした。聞くと、将来は中国に定住したいとのことでした。
張聴さんとともに中国でがんばってほしいですね。

<格安チケットで世界へ >
今回、飛行機は関空発着のジェットスターでした。格安のチケットです。
往復が32000円で、燃料サーチャージ等含めて、合計がなんと68684円でした。日本から参加で一番安いのではないかと自負しています。(大阪人の自慢・・・)

たくさんの方と名刺交換したので、メールアドレスを頼りに連絡すれば、どこに行っても、会うことが出来ます。 また期間中かなり深く知り合いになった人は、華人のなかでは ハワイのカウアイで働いている周さん。明るい人でした。中国語で、可愛島と言ってましたが 英語でKauai カウアイ島かと知りました。格安チケットで行ってみようかな。
ちなみにハワイは 夏威(Xiawei) シドニーは 雪梨(xueli)クイズ番組で出てきそうですね。
オーストラリアのキャンベラに住むルパートさん 顔はごついけどやさしい人でした。フエスティバルの実行委員で張聴さんのラリア滞在期間の食・住をサポートしてくださいました。さらに、フエスティバル終了後、張聴さんは彼の家で1週間過ごして帰国しています。

世界は狭いです、友人の友人、友人の輪を広げたいと思っています。

<参加者の人数は>
フェスティバル主催者のデビッド・ウイラーさんに最終日に聞きました。
尺八の一般参加120名 日本約50名、ラリア約60名、そのほか10名と言ってました。招待100名と言っていたので、フェスティバル冊子の招待名簿から逆算すると招待尺八70名(日本40名、外国30名)、尺八以外の箏、作曲家30名。
なので、尺八の総計は一般参加120名に、招待尺八70名 で 計約190名。
琴の婦人たちが一般参加で約25人
参加者総計 約245名
ヨーロッパ、アメリカの参加者が1桁でした。オーストラリア現地参加が約60名も
すくないように思います。
コンサート、ワークショップの内容がすばらしく、参加者も満足の声がほとんどでしたのでもっと、多くの人、特に若い人に参加してもらいたかったです。

<4年後に京都で開催!?>
最終日8日の夜8時から参加者貸切の船に乗って、さよなら夕食会、
ディナークルーズでシドニー湾何度もまわり、最後の交歓をはかりました。
宴も最後となり、倉橋義雄さんが4年後に京都でフェスティバルを開きたいと思って
いますと宣言されました。あとで、よけいなこといってしもたと仰ってました。隣にいた夫人は、早死にする気とも仰ってました。
世界尺八フェスティバルWSF08 は、素晴らしく、大成功のフェスティバルでした。
主催された ライリー・リーさん、クリストファー遥盟さん、デビッド・ウイラーさん、
柿堺香さん、ご苦労様でした、お疲れ様でした、有難うございました。

追伸
自身の演奏を書くのを忘れてました。
7月7日の午後のコンサートで、箏・尺八二重奏「惜別の舞」と尺八古典本曲「越後三谷」を演奏しました。また、6日 「花さきやま 合唱」「編曲春の海」、7日 「手向」、8日 「三谷」「竹の変容」に出演しました。

<帰国後の演奏>
シドニー帰国後、ある焼肉店で、BGM演奏してきました。
月に2回、30分を三回、箏と二重奏で10曲ほど演奏するのですがシドニー効果というか、いい演奏をたくさん聴いて帰ったので、そのイメージを演奏に再現してみました。あら不思議という感じで満足のゆく演奏ができました。箏の相方の先生も、今日は尺八に聞きほれてしまいましたとおっしゃっていました。
いい演奏を聴くことは、練習することと同じく重要ですね。                    (以上)


【お知らせ】

 2008年8月3日の尺八吹奏研究会第18回小演奏会の演奏CDを配布しています。地無し管で「夕暮の曲」「手向」、現代管で「鹿の遠音」「浜千鳥」「涙そうそう」を吹いています。

 是非この機会に「地無し延べ竹ごろ節有りの尺八」の音色をお聴きください。地無し管、現代管のそれぞれの良さが分かるかと思います。
 なお、このCDはご遠方のため演奏会に来たくてもこれなかった方のために作製したものです。録音機も良くありませんし演奏会場が江戸時代の家屋のため少し雑音も入っておりますので、その点ご容赦ください。

○締め切り 2008年9月末日です。
○申込法

 便箋に住所、氏名、「地無しCD希望」とお書きの上、80円切手6枚を同封して 〒590-0531 大阪府泉南市岡田190 貴志清一まで郵送してください。


○「尺八吹奏法U」ご注文の節は、 
@邦楽ジャーナル通販 商品コード5241、http://www.hogaku.com/
 一冊1,000円)