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インターネット会報2010年3月号
続き:「尺八理想の横ユリ・息付きビブラート」の理論・実践(その4)
 3月14日(日)尺八小演奏会と講習会(尺八奏者のビブラート)
 (文末参照)

4.尺八において、息をエッジの理想的なポイントに当てるのは至難の業であるが、横ユリは左右方向の、そして息のビブラートは前後方向の理想的な息のポイント探しを容易にしてくれる。
  尺八吹奏法Up.40「首横ユリ2回に息の拍動1回」の意図

 まず大前提を述べます。
 「尺八の息は歌口のエッジめがけて当てるのではない」のです。
 おそらく、理想的な状態というのは空気圧の影響でどちらかに偏ると思います。
 よく尺八初心者や中習のかたがたから
「尺八の息は歌口から何mm離せばいいですか」また、
「先生の音の末尾は、甲音の小さな音でも鳴っていますが、息を当てる理想的なポイントはどこですか」と質問されます。
 私は、とりあえず
「尺八が良い響きで鳴っている時の状態が、唇と歌口の適度な距離で、しかもその時が、理想的なポイントに当たっているのです」と答えます。
 私の考えでは、「息をどこへ当てるか、歌口との距離は何mm?」と思いめぐらしている内は上達はおぼつかないと思います。
 それではどうするか?
 答えの鍵はビブラートにあります。
 ビブラートによって息が当たる理想的なポイントを体で覚えさせるのです。ビブラートによって唇と歌口の理想的なポイントを体得するのです。
 首横ユリによってわずかに息の方向が左右に変化します。その動作の中で、息は必ず理想のポイントを通過しているはずです。そのポイント(良く鳴るところ)を見つけにゆけばいいのです。
 同じように息のビブラートはその拍動によって唇と歌口の距離がわずかに前後します。その前後するなかに理想の距離があるはずで、ビブラートをしながらそれを見つけることができます。
 理想のポイントや理想の(唇-歌口)距離が体得できれば、きわめて小さな甲音の音でも鳴らすことができます。もちろん尺八が無理なく鳴るポイントですから、息を押していって朗々とした音にすることもできます。
 首横ユリや息のビブラートはこういう効果もあるのです。
 尺八愛好家は是非修得して欲しいと思います。

○尺八吹奏法Up.40「首横ユリ2回に息の拍動1回」の意図
 今まで山口五郎師に代表されるような「首横ユリ1回に息の拍動を1回」対応させるビブラートについて解説してきましたが、それでは、尺八吹奏法Uの「首横ユリ2回に息1回」のビブラートはどういう位置にあるのでしょうか。結論から述べますと、
 「首横ユリ2回に息の拍動1回」はビブラートを練習し始めるきわめて有効かつ有益な方法なのです。しかも、実際の演奏でも良い効果をもたらします。
 本書をここまで読んでこられた方ですと、五章から始まる実際の練習法を待たずに、この「首横ユリ1回に息の拍動を1回」逆に対応させるビブラートを試してみたのではないでしょうか。
 ところで、上手くできたでしょうか。山口五郎師のCDのようなユリ(ビブラート)が自由にかけられたでしょうか。たいていの人にとってその答えは「難しい、できない」だと思います。
 そうです、難しいのです。首横ユリ1回に息の拍動1回を反対に対応させるビブラートは誰でもすぐにできるものではないと思います。
 そこで、尺八吹奏法Uの「首横ユリ2回に息1回」の練習が生きてくるのです。
 まず、この「首横ユリ2回に息1回」は横ユリの獲得のためのものでもあります。きわめてゆっくり息を意識して息の拍動(フー)に2回横ユリをゆっくりいれます。
 あわてず、横ユリをたった2回することだけでも、できるまで1ヶ月でも2ヶ月でも練習してください。横ユリ4回(1秒くらいで)ができるのに1年かかってもいいでしょう。滑らかな横ユリになるまで、毎日練習して10年かかってもいいのではないですか。
 そうしている内にだんだん慣れてきますね。
 図5を見てください。(IT会報では省略)

(あ)のところで、横ユリが谷になっているのに、息の拍動は山ですね。すなわち、この練習は、ある部分をとれば横ユリと息の拍動が正反対になる場面があるのです。するとこの正反対の感覚が自然に身に付くのです。この感覚は「首横ユリ1回に息の拍動を1回」逆に対応させることの基礎になります。
 来る日も来る日も毎日2,30分は練習しましょう。そのうちに首横ユリも息のビブラートも自在に操れるようになります。そして、ある日、試しにそっと「首横ユリ1回に息の拍動を1回」逆に対応させると、なんと上手くできた!ということになります。その日が来るのを楽しみに尺八を練習していったらよいかと思います。
 その場合、お稽古をつけてもらっている師匠がこの「首横ユリ1回に息の拍動を1回」逆に対応させるビブラートも活用していらっしゃれば、おそらくこの修得は速いと思います。
 この点、私は幸せでした。何しろ、三曲合奏の世界では最高峰に位置する 松村蓬盟先生に25年ほど前に指導を乞い10年ほどは根を詰めてお稽古に通わせていただいたのですから。先生は山口四郎師の弟子で山口五郎師とは兄弟弟子の関係です。そのユリ(ビブラート)やすばらしく響きはほとんど五郎師と同じものです。
 ですから、私自身、才能や素質がそうたいしてある方ではなかったのですが驥尾に付すという言葉通り、なんとか人前でも恥ずかしくない演奏ができるようになりました。本当に感謝に堪えません。
 さて、次章からは今まで述べてきたビブラートを、どんな練習をしていけば獲得できるかという方法を述べます。ただし、この私の方法以外にもいろいろなビブラートの練習法が考えられます。私の方法が唯一無二のものでないことを心に留めておいていただきたいと思います。


【お知らせ】    尺八吹奏研究会第24回
尺八・ギターミニコンサート
尺八講習会(尺八奏者のビブラート)

出演 尺八:貴志清一 ギター:大脇健五 
日時 :2010年3月14日(日)
場所: 泉佐野ふるさと町屋館(市文化財)
   大阪難波より30分、南海本線泉佐野駅より徒歩5分
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│尺八・ギターミニコンサート2:00〜3:00  │
│地無し尺八独奏・・「手向」「巣鶴鈴慕」  │
│ギター独奏・・ 「アルハンブラ宮殿の思い出」   │
│尺八・ギター・・・ 「花」(滝廉太郎)「牧場の朝」他 │
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│尺八講習会 3:00〜4:30 │
│○「尺八奏者のビブラート」(テキスト付き)   │
│ 修得が難しいといわれるビブラート(ユリ)の  │
│原理を実際の演奏で聴き、修得のための着実な │
│練習法を参加者持参の尺八で吹いて頂きます。      │
└─────────────────────────────┘
○参加費  ミニコンサート 1,000円
   コンサートと講習会 2,500円
○申し込み法
ハガキに「3/14ミニコンサート希望」または、「3/14コンサートと講習会希望」と明記し 住所・ご氏名・番号、御参加人数をお書きの上、下記までお申し込みください。折り返し入場券(地図付)をお送りいたします。料金は当日受付にてお願いいたします。
○宛先〒590ー0531泉南市岡田2ー190貴志清一




【尺八・お稽古のご案内】
〈貴志清一尺八教室〉
○講師 尺八吹奏研究会 貴志清一
(尺八歴31年、「尺八吹奏法U」「尺八吹奏法(運指編)」著)
(池田静山師、後ち松村蓬盟師に師事)
○内容 琴古流本曲 新、現代曲、古曲、歌曲、初歩指導等
(琴古譜、都山譜両方可能、五線譜も可能)
1.月極稽古 (謝礼)
 月1回四千円、2回六千円、3回八千円
 ※入門料はありません。
 ※講師はどこの社中にも属しておりませんので、免状等はお出しできません。この点、あしからずご了承ください。

2.稽古日
 平日、土曜、日曜(ご相談下さい。)
3.時間:概ね30分〜1時間まで
4.ワンポイント稽古
 遠方、その他により1回限りのお稽古も受け付けております。
 1回四千円、特に合理的な吹奏法習得にお役立てください。
○稽古体験
 入門する、しないに関わらず稽古内容がご自分に合っているかどうかを体験していただけます。稽古体験は1回で無料
○申込法
 入門、ワンポイント稽古、稽古体験ともご希望の節は、ご氏名・ご住所と、рワたはメールアドレスをお書きの上ハガキにてその旨ご一報ください。折り返しこちらからご連絡させていただきます。
〒590-0531 大阪府泉南市岡田2-190
               貴志清一


【ご案内2】
「尺八吹奏法U」ご注文の節は、 
邦楽ジャーナル通販 商品コード5241、http://hj-how.com
(送料別途)

「尺八吹奏法(運指編)」(1,000円)のご注文はハガキにて下記へお申し込みください。
〒590-0531 大阪府泉南市岡田2-190 貴志清一