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インターネット会報2010年5月号
続き:「尺八理想の横ユリ・息付きビブラート」の・実践(その6)

 「尺八奏者のビブラート」の連載も6回目を迎えました。次回が最終回です。
 会員のみなさまは会報を綴じていただければ、そのままそれが『尺八奏者のビブラート』の冊子になりますが、いつもインターネット上でお読みいただいてます方々にとっては図版や楽譜がありませんので、少し理解しにくい所もあるかと思います。
 従いまして、会員以外の方々の便宜上、印刷屋さんに『尺八奏者のビブラート』の冊子本を作ってもらい6月にはできあがるかと予定しています。 尺八奏者のビブラートに関して纏まった本として図版・楽譜も参考にしたいときは、是非6月号の配布要項をお読みの上、お申し込みください。

5-1.声門下腔による息のビブラートの練習法

ではさっそく、練習を始めましょう。
○この声門下腔のビブラートを獲得するには、声での訓練が一番です。
ア)自分の出しやすい声の高さで次の音型を歌ってください

ハッ、ハッ、ハッ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ホ、ホ、ホ、ホ、ホッ、ホオオオオオ、オオオオオオ、オオオオオオ〜〜〜

注)この練習は決して喉に力を入れてはいけません。これは無意識のうちに、喉(声門=声帯の隙間)を理想的な開きにするための訓練です。すぐにビブラートは獲得できませんが、これによって声門の理想的な開きが得られますので、数ヶ月もすれば尺八の音出しに極めて良好な結果をもたらします。
 そして、できればこの練習は息が出なくなるまで一生涯続けてください。

イ)@同じく声にて、尺八の乙ロの高さの音歌いましょう。
 ハッ、ハッ、ハッ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ホ、ホ、ホ、ホ、ホッ、ホオオオオオ、オオオオオオ、オオオオオオ〜〜〜
A乙ツの高さの音で、
 ハッ、ハッ、ハッ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ホ、ホ、ホ、ホ、ホッ、ホオオオオオ、オオオオオオ、オオオオオオ〜〜〜
B 乙レの高さの音で、
 ハッ、ハッ、ハッ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ホ、ホ、ホ、ホ、ホッ、ホオオオオオ、オオオオオオ、オオオオオオ〜〜〜
C乙チの高さの音で
 ハッ、ハッ、ハッ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ホ、ホ、ホ、ホ、ホッ、ホオオオオオ、オオオオオオ、オオオオオオ〜〜〜
D乙ハ(琴古り)の高さの音で
 ハッ、ハッ、ハッ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ホ、ホ、ホ、ホ、ホッ、ホオオオオオ、オオオオオオ、オオオオオオ〜〜〜
E甲ロの高さの音で
 ハッ、ハッ、ハッ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ホ、ホ、ホ、ホ、ホッ、ホオオオオオ、オオオオオオ、オオオオオオ〜〜〜
F甲ツの高さの音で
 ハッ、ハッ、ハッ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ホ、ホ、ホ、ホ、ホッ、ホオオオオオ、オオオオオオ、オオオオオオ〜〜〜

 乙のハ(琴古り)くらいから裏声になってしまいますが、この裏声でも
練習をしましょう。実は、実際の尺八を吹いているときの口腔の形は裏声を出している時の形に近いのです。

ウ)次に実際の尺八の音で同じことをしましょう。但し乙ハ(琴古り)よ  り始めます。
注意! この時、声での訓練と同じ音型でしてはいけません。
フルートの教本では、ハッ,ハッ,ハッと息で音を切る練習をしていますが、
そうしてしまいますと、過剰なビブラートの癖がついてしまいます。
声の場合は声門から大気圧になるのですが、尺八の場合は唇の隙間から
ですので余分に圧力がかかり、なめらかなビブラートの練習にはならないからです。

ホーオーオーオオオオオオ オオオオオオ オオオオオオ〜〜〜〜
@乙チの高さで
 ホーオーオーオオオオオオ オオオオオオ オオオオオオ〜〜〜〜
A乙レの高さで
 ホーオーオーオオオオオオ オオオオオオ オオオオオオ〜〜〜〜
B乙ツの高さで練習。  C乙ロの高さで練習。
 ホーオーオーオオオオオオ オオオオオオ オオオオオオ〜〜〜〜
D甲ロの高さで
 ホーオーオーオオオオオオ オオオオオオ オオオオオオ〜〜〜〜
E甲ツの高さで、 F甲レの高さで、G甲チの高さで H甲ハ(琴古ヒ)

5-2 首振りによる横ユリビブラートの練習法

○首を横に振ることでビブラートをかける練習をしましょう
○ 首を中央から左に振り右に行ってまた中央に還ってくる、これがビブラ ート、一回分です。
(または、右に振り、左に行ってまた中央に還ってくる)
 最初は難しいので大きな動作で練習し、次第に少しの動作でもできるようになりましょう。
 図の曲線をよく見て練習します。(図・楽譜省略、以下同じ)

(音を伸ばしてから)左右 左右 左右 左右 左右 左右〜
1   2   3   4   5   6 〜

※このとき右手の親指と中指は動かない位置になります。けっして腕を
振ってはいけません。

@ 乙ハ(琴古り)の音で
伸ばして1回
A 乙ハ (琴古り)の音で
伸ばして2回
B 乙ハ(琴古り)の音で
伸ばして3回
C 乙ハ(琴古り)の音で
伸ばして4回
D 乙ハ(琴古り)の音で
伸ばして5回

A次に、息の拍動(ビブラート)を大きく3回入れてから息は真っ直ぐ
にして首の横ユリをいれましょう

これも曲線の図をよく見て練習しましょう。

○これも、以下の音で練習します。
 これらは、すべて決して急がないように、何年かかってもいいですので
確実に滑らかなビブラートにしましょう
 対応する楽譜もよく見てください。


A 乙チの音で
B 乙レの音で
C 乙ツの音で
D 甲ロの音で
E 甲ツの音で
F 甲レの音で
G 甲チの音で
H 甲ハ(琴古ヒ)の音で
I 甲ヒ(琴古五のハ)の音で

 次回の「尺八奏者のビブラート」(その7)がこのシリーズの最終回になります。


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