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インターネット会報2010年8月号
続き:「尺八奏者のビブラート」実践(その7、最終回)

【お知らせ】
 去年の12月号から連載していました「尺八奏者のビブラート」(改題)につきまして、会員の方々よりいろいろなご意見をいただき、まず御礼申し上げます。
 6月号で紹介させていただきました通り、竹尾氏(ペンネーム)より大変示唆に富むご指摘を頂きました。ひとつひとつ思い当たる節があり、尺八のビブラートに関して当初の内容では不十分であることを痛感いたしました。
 私自身は割合真っ直ぐな音に横ユリを中心にビブラートをかけていますが、このビブラートの連載を読みますと、何か常にビブラートをかけていないとだめだと言う風に読者のが考えてしまうようです。
 普通、一日の内基礎練習に1時間取るなら、30分はビブラートなしのロングトーン練習、10分はビブラート、あとの20分で音型練習やコロ等の特殊音符の練習・・・でしょうか。(個人差は大きいと思いますが)
 ですから、「尺八奏者のビブラート」の中には必ずビブラートのないロングトーン練習の項目がいるのだと思います。
 勿論、題名から「尺八奏者のビブラート」となるのですから、文章表記も大幅にかえなければなりません。その一番大きなものは、横ユリと息の拍動の1対1のビブラートが“理想のビブラート”ではなく“極めて限定された状況で使用するビブラート”とになることでしょう。
 それやこれや、いろいろ考えてみますと、もう一度ゆっくり内容を吟味して「尺八奏者のビブラート」を冊子にしなければならないと言う結論に至りました。
 たくさんの会員のみなさんより「ビブラートのまとまった冊子が欲しい」とのご意見をいただきましたが、年内には作れるかもしれませんが、とりあえず8,9月には作成不可能ということになります。
 いったん予告しておいて遅れるというのは、たいへん申し訳ないことですが、どうかご了承ください。
 ただ、冊子は遅れますが、今回の最終回の内容は掲載いたします。
 これにて、この連載は終わりですが、是非、いろいろなご意見を賜りたくお願い申し上げます。
 よい良い「尺八奏者のビブラート」冊子が年内に完成するよう、がんばっていきたいと思っております。


続き:「尺八奏者のビブラート」実践(その7、最終回)
                    貴志清一
 題名の「尺八理想の横ユリ・息付きビブラート」を改めまして、「尺八奏者のビブラート」となりました。
 今回が最終回です。

今回は2つのビブラートの技法について述べます。
 1.首横ユリ2回に息の拍動1回のビブラート
 2.横ユリ1回に息の拍動1回をうち消しながら吹くビブラート

この2つですが、滑らかに首の横ユリや息のビブラートができていないうちは練習しないでください。横ユリ・息ビブラートともに、最低1秒間に5回はできるようになっておく必要があります。

 以下の文中「5−4良い指導者のもとで練習する」とありますが、会員のみなさまは是非、ご自分の師匠にこの会報の内容をお知らせいただき、適切な指導をしてもらってください。
 ただ、流派によってはいろいろなビブラートを多用しないこともありますので、その時は「うちの流派ではいらないのだな」と思ってください。
 それでは、最終回をお読みください。

5ー3 息のビブラートと横ユリビブラートの種々の結合

○さて、息のビブラートと横ユリのビブラートがどちらもなめらかにできたとしましょう。それを、いろいろに組み合わすことができるのですが、混乱をさけるためここでは、尺八吹奏法Uに紹介した息の拍動(ビブラート)1回に首の横ユリ2回を対応させる方法を練習しましょう。
 これは実際の高い方の甲音できわめて有効に使えます。また、次の息と横ユリを1対1で対応させるビブラートの準備にもなります。
 図をよく見て曲線についている「ホ」や「フー」「左右」の字にしたがって吹いてみてください。
(IT会報では図は省略、以下同じ)

○これを乙ハ(琴古り)以外の音でも練習しましょう
5-4 良い指導者のもとで練習する息と横ユリの1:1の重ね

さて、いよいよ息の拍動と首の横ユリを1対1で重ねましょう
 これができると、尺八は実に不思議な音を出します。
 この現実世界ではなく異界から届くメッセージのような響きです。

○いきなり吹くのは難しいので、始めにゆっくりした息の拍動を3回入れてからほんの一瞬首の横ユリの方を先に入れて、すかさず同じように横ユリの山をうち消すように息のビブラートをいれましょう
 これも下の図の指示通りにゆっくり練習してください。

(注意)人によって、これは難しいかも知れません。その場合、良い指導者のもとで練習するのが一番です。何よりも、目の前に良いお手本で演奏してくれるからです。
 また、その指導者は生徒が闇雲に速く吹いたりすると注意してくれる
でしょう。
 また、ある人は、この本を読んだだけで、極めて短期間に修得できる
かも知れません。

○つぎの音符の音でも試してみましょう
 (楽譜では乙ロより開放の運指で甲のハまで記載、IT版では楽譜省略)




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〒590-0531 大阪府泉南市岡田2-190 貴志清一