会報 No.19

論説 十分唇の柔らかさを保っている尺八上級者へ
たまには尺八をビュービュー吹いて見ませんか 貴志清一

−−強い息に負けないよう下の口輪筋に少し力をいれて−−  

尺八吹奏で大切なことは「尺八吹奏の基礎」などでいつも申していますのは、 唇に余計な力を絶対入れないということです。 ですから今回の「強い息に負け ないよう下の口輪筋に少し力をいれて」という提案は初心者や中級者には誤解を 招く恐れがあると思います。 まだ「唇に力を入れない」技術を身につけてない 方はこの論説の内容を実行しない方がよいと思います。すなわち、唇に力を入れ ないで唇の周りの口輪筋という筋肉に力を入れるということが出来ない方は誤解 を招くということです。 しかし、誤解を招く恐れのあることをわざわざ書くと 言うのはそれなりに意味があるからです。

 家で一人で尺八を楽しんでいる分には余り大きな音はいりませんが、演奏会 等で会場が広かったりしますとやはり、最低限の音量はいるわけです。そんな時 今からのべる方法を知っていますと便利だと思います。  ただし、私の場合あ まりに圧力をかけてしっかり鳴らしますと、悲しいかな口腔の圧力で吹奏後とき どき耳鳴りがします。それが恐くてあまり鳴らさないのですが、耳鳴りのしない 方は一度お試し下さい。 また、2尺4寸管ではさすがにそれがありませんので 私も下手ですが長管をたまに吹きます。それから、家内の祖父の形見の節の残っ た地無しのべ竹ですと大きな音量がでないので安心して8寸管を吹けます。

強い息に負けないよう下の口輪筋に少し力をいれる

 口輪筋についての説明は「すべての管楽器奏者へ」(根本俊男著 音楽の友社)というたいへん有益な本をご覧下さい。 いろんな筋肉が口周辺にあります。 そのうち口輪筋がこの場合たいへん大事になってきます。 唇(の赤い部分)に は絶対力を入れてはいけないことは当然として、強く・もしくは息の圧力をかけ て吹きますと息のでる唇のすき間は押し広げられます。その時押し広げられるま まにしていますと息が拡散して音になる効率がわるくなり、息ばかり損をして力 強い音がでません。 普通、自宅で吹いて楽しんでいる分にはあまり力強い音は 要りませんので関係ないのですが、山へ行って吹いたり竹林の中で吹いたりしま すとどうしても音が貧弱に聞こえます。 そこでやはり時と場合には強い息に負 けないように下の口輪筋に(唇ではない!)力を入れて力強い音を出す必要があ ります。その際、吹く前から口輪筋に力を入れるのではなく、息の強くなるのに比例して息のすき間が崩れないように口輪筋に力を入れるのです。  たったそれだけで本当によく鳴る音が手に入れられるのです。

 尺八上級者の方はもうすでにこのようなことは常識として知っておられるや も知れませんが、参考までにのべさせて頂きました。 くれぐれも申しますがあ まりに鳴らしすぎますと私のように耳鳴りがする時があるかも知れません。ご注 意下さい。 また、これは尺八の物理的な鳴りに関してのことですので、よく鳴 る=素晴らしい音では決してないので誤解なさらないようにして下さい。


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