会報 No.2

論説 私の「息返しの工夫」 (大阪)  神崎 憲

「尺八吹奏研究会」の発足おめでとうございます。
邦楽ジャーナル紙上での「尺八吹奏の基礎」連載を読み、同じ大阪に在住して いることも
あって、その後も何度か意見交換しておりました。

尺八を吹くものにとって、舞台の上で安定した音を出せる方法、秘訣といった ものはない
かということで、貴志さんの理論から実践させていただいておりました。当方 からも意見
を出したりする中で、この度、「尺八吹奏研究会」発足に当たり会の顧問とし て参加して
ほしいとの話があり、二つ返事で引き受けることになった次第です。
  
最近、貴志さんが発表された、「息返しの工夫について」は、実践してみて、なるほど即
効果が上がる方法で驚きました。今まで私なりにあらゆる尺八の教則本を集め たりして、
参考になる記載がないかとさがしてました。しかし安定した音の出せる方法が 、簡単な工
夫でできるようになる記載はどこにもありませんでした。
このことは、7孔尺八の宮田耕八朗師が常に言うところの「尺八なんてものは、ふっと吹
けば誰でもなって難しいものじゃない」ということが、名人のいう言葉と思ってあきらめ
ていましたが、貴志さんの発見で、ふっと吹いて誰でもなるという秘訣が秘訣 でなくなる
のではないかと考えるようになりました。

ふっと吹いて鳴ってくれる尺八にしたいということで、私も自分の顎・唇にあ った改良を
考え、先輩・友人の尺八を吹かせてもらいました。そんな中で、歌口の幅を狭 めて、深く
したものが息の流れもスムーズで安定して鳴ってくれました。
この歌口は、琴古流におおくみられるようで、さっそく製管師の小林一城氏を 訪ねました。
小林氏の持ち笛もこの歌口で、吹かしてもらうとよく鳴り、乙音もふっと吹い て鳴ってく
れます。これだと思って改良してもらうことにしました。

一週間後にできあがった私の尺八は、歌口の右・左各1.5mm程狭くなり、深さ は音のピッチ
が変わるので以前と同じ深さになっていました。吹いてみると、以前と比べ鳴 りがよくなり
ました。改良後の歌口を上から見たところ、歌口の幅を狭める改良で、開口部 が結果的に若
干小さくなりました。貴志さんの発見された開口部を狭めると息が一点に集中 しやすくな
り、 この部分が盛られて吹きやすくなるという考えに通じるものだったわけ です。
    
今回この「尺八吹奏研究会」を通じて全国の尺八愛好家のそれぞれの工夫を公 開していただ
きたいと願うものです。
今後とも宜しくお願いします。             神崎 憲 (96/ 10/11)


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