会報 No.22

論説 メリ音を出すための一つの練習法 貴志清一

メリ音に関しては会員の皆様方多数のご質問がありました。私の知る範囲では 、邦楽ジャーナルの記事がたいへん参考になります。私がつけ加えるような大き な変更はないと考えています。

@古屋輝夫の尺八講座第12回「メリの構造」邦楽ジャーナル1990年2月VOL3738

A田辺洌山の尺八教室8910回 メリ音(1、2、3)1996年8910月VOL115117

 @でも書いています通りメリ音は尺八の孔の面積を狭くする技術なのです。 歌口も一つの孔ですのでここの面積を狭くするために顔の角度を変えたり、少し 唇をエッジに近づけたりします。

 息の流速をゆるめても音は下がりますが、そうすると芯のあるしっかりした 音は出ません。 琴古流本曲の メツレーの メツはやはり、しっかり吹かねば なりませんので息の流速をゆるめるメリ法は併用しない方がよいと思います。

 上記の@、Aで述べています練習法を使ったり、その他の教則本のメリ音の 練習曲を吹いたりしてだんだんマスターするのです。

メリ音を出すための一つの練習法  しかしこのメリ音はやはり難しいものです。それは合理的な練習法をしな いからです。 ここではしっかりした音のメリ音を獲得するための一つの方法を 述べてみます。原理はたいへん簡単です。「歌口によるメリと指によるメリに分けて練習するのです。すなわち、 はじめに歌口だけでしっかりした音でメリ音にして、そ の後指をかざして所定の高さにするのです。」 これを繰り返すことでしっかり したメリ音を短期間に獲得できると思います。

10年も20年も吹いているのにしっかりしたメリ音が出ない原因はただ一つ 、歌口だけのメリ音が出来ていないからなのです。

練習方法

メツ(E♭)を例にして説明します。出来るまで何回も練習してください。

 歌口だけでメッテ、だんだん音を低くする  ツ ツツツ 中ツ 

 次に指でメッテ音を低くしメツにする     中ツ 中ツ 中ツ メツ

 これができれば途中をだんだん省き     ツ 中ツ メツ  と吹く

一番難しい メツ について説明しましたが、メハ  や メチ  について も全く同様ですので、各自練習して下さい。

甲メロの出し方。 これは出すのは難しいものの一つですが、5孔をすかすと(少し開ける) いとも簡単に音が下がりますのでお試し下さい。

いずれにしましても尺八愛好家の皆様が音で困らない、むしろこの音独特の音 色を楽しめる段階にまでになって欲しいと思います。そうすれば古曲の三曲合奏 はもっともっと楽しくなると思います。



情報交換コーナー (中島 謙造 氏より)

 「長い曲を吹き通すには」 民謡の江差追分(7分程度の曲)を練習してい ますが、演奏時間が長い曲を最初から終わりまで、よどみ無く吹くにはどうした らいいでしょうか。また、昇段試験で自分で納得できる(本来の力の出せる)演 奏できるにはどうしたらよいでしょう。

「長い曲を吹き通すために」 貴志 清一  

この質問は割合多くの人より聞かれます。長い曲を吹き通せないのは曲の途中 で疲れてくるからです。尺八やフルートはトランペットやトロンボーンを吹くと きに経験する”バテル”現象ほど顕著ではありませんが、やはり肉体的にも精神 的にも疲労するものです。 ですから、曲の終わりまでしっかりと吹き通すため には「少々疲れてきても演奏できる力をつける」ことなのです。

 それではそのための訓練方法ですが、そのひとつの方法は曲の終わりの方から練習することなのです。

 例えば、ある曲が大きくA,B,C,D,Eの5ツの部分に分かれていると しましょう。そして、それぞれの部分は完全に吹けるとします。 そうするとこ の曲をEから最後まで吹くのです。そしてそれが出来ればD、Eと途中止めずに 吹き通すのです。その次は、CDE、BCDE、そして最後にABCDEと吹き 通すのです。 決して焦らず、DEができなければ絶対にCDEと吹いてはいけ ません。 この通し練習を繰り返すうちに長い曲でも吹き通す自信と力がついて きます。 一度お試し下さい。



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