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インターネット会報2014年7月号

関西一節切研究会演奏会に参加して
鷹鞭(たかむち:ペンネーム)

 6月1日(日)関西一節切研究会のこの1年間のまとめとして、泉佐野ふるさと町屋館にて演奏会が開催されました。一節切では、「初手」「海道下り」「近江踊」「さがりは」そして創作曲、さらにギター伴奏での「もののけ姫」の演奏。続いて尺八による古典本曲として「下がり葉」「鑁字」「三谷菅垣」「手向」。さらに迫力ある薩摩琵琶 による「敦盛」、三味線と尺八での地歌「面影」。後半では尺八、フルートとギターでの合奏で親しみやすいホピュラー、民謡、歌謡曲と多彩 な演奏会となりました。
ところで入門はしていませんが、私は貴志先生に2カ月に1回のペースでワンポイント・レッスンを定期的にお願いしていまして始めてから2年半の年月が過ぎました。先生からは「まずは息を吐いてから、背中までしっかり息をためなさい」「下腹で音を支えるように。」「唇は柔 らかく閉じた状態で、腹からの息で勝手に開くように。(あまり唇の形を意識して作ろうとしないこと)」「両手は力まずリラックス」「息は 尺八を鳴らそうとしていれるのではなく、あくまでも自然な息で少し揺らして音の鳴るポイントを探り、そこへ落としていくのです」「ロング トーンは長く息を続かせる練習ではありません。それはあくまでも結果です。」「息継ぎは二段ブレス」等、的確なアドバイスをしてもらってきました。

 レッスン日には、教えていただいたことをその日のうちにメモ書きしノートはいっぱいになっていますが、私にとって今一番意識していることは上述の「下腹の支え」と「上半身のリラックス」です。また以前にはどうしても喉鳴りがどうしても起こり、意識すればすれほどひどくなることもありました。いまでも、試行錯誤の毎日ですが、たまたま、力づくではなく自然と気持ちよく音が響いてくれたときは気持ちのよいものです。また、日によっては仕事での帰りが遅くなることもありますが、たとえ10分でも練習するように心がけています。練習は「尺八吹奏法U」にあります日々の基本トレーニングが中心です。この本には「口腔前庭」のことが出てきますが、私にとっては「下腹で音を支える」意識あっての「口腔前庭」です。自分の意識をどこにおくかで音の鳴りも変わってきます。しかし、いつかは、「無」の状態で吹ければと思っています。
 私も今回出演させていただきましたが、人前で演奏するのは2回目で、一節切で「近江踊り」尺八で「下り葉」を演奏させていただきました。最初の音が出るかどきどきはらはらの拙い演奏ではございましたが、「近江踊り」では最初の音がなんとか出て、後半は上半身がリラックスして音も最後まで出てくれました。しかし、「下り葉」は気負いすぎて息が続かず、、、。(まさに前回のレッスンで先生に「息は最初に無駄に多く使わず、自然な息で鳴るポイントで」と 指導を受けていたのに実行できませんでした。残念)しかし、大変勉強になり、よい経験をさせていただきました。また、一に戻って練習を積み重ねたいと思っています。

 一節切は尺八ほど多彩な音こそでませんが、独特のなんとも言えないもの悲しい音色は尺八とはまた違う味わい深いものだと思います。一休禅師、さらに織田信長はどんな場面でどのような心境の中でこの一節切を吹いていたのでしょうか。当研究会に参加させていただき、実際の音の再現は、「糸竹初心集」をもとに勉強してきましたが、室町、江戸時代には、世相が刻々と移り変わる中で、世の行く末に無常を感じながら、おそらく、その当時の人は今よりもっと自然の中の風のなびきや水のせせらぎ、落つる音、草や葉のざわめき、鳥や虫の声など自然をより鋭く肌で感じとり、自分自身との一体感をこの一節切に託していたのでしょうか。

私は、この1年間、尺八のご指導と併せて、この一節切研究会の1期生としても参加させていただきました。何分勉強不足でついていくのもおぼつかない状態ではありましたが、参加メンバーには、一節切製管ではとても高い技術を持たれているAさん、そして薩摩琵琶をはじめ、多種多彩な楽器を自由に演奏されるBさん、とすばらしい魅力ある方々との出会いの中で毎回楽しく意義ある研修を受講させていただいたことに感謝しています。そして、この一節切ならではの音色をたくさんの皆様に知っていただくことを切に願っています。

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