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(No.327)
玉音について~巣鶴鈴慕(抜粋)を吹く~-音声資料付-
(並びに、2016.4.2巣鶴鈴慕も演奏します「萌春コンサート」と吹奏講習会のご案内
                                                                                    貴志清一
 普通の曲を吹いている限りでは全く必要ないのですが、古典本曲の秘曲扱いの曲や現代音楽の尺八パートではよくこの「玉音」が出てきます。私の属する琴古流古典本曲の中では、「巣鶴鈴慕」の中に出てきます。
この曲はたいへんよくできていて名曲の一つだと思うのですがあまり演奏会では聴きません。おそらくこの「玉音」が難しいのだと思います。
「玉音」を支障なく出すことが出来ればこの「巣鶴鈴慕」ももっとみんなが楽しめると思います。
 
 かつて、とある往年の名人が「玉音は千人に一人しかできない」と豪語したそうです。真偽のほどはわかりませんが割合良く知られた話です。この話を真に受けて玉音を最初から諦めた尺八吹きもたくさんいたそうです。
 逆に、たまたま玉音を習得できた奏者もいると思います。しかし玉音が上手くできるからといって、古伝「鶴の巣籠」や「巣鶴」を最初から最後まで玉音で吹くというのは少々行き過ぎな気もします。
 
○だれでもいつかは必ずできる玉音の練習法
 では実際に練習をしていきましょう。 
 水を含まない状態で喉の奥を震わせます。
 実際に振動するのはノドチンコ(口蓋垂)です。
 
※この点に関して「尺八吹奏法Ⅱ」に誤りがあります。
 p.38-23行目
「これは舌を息の流れを少し借りてふるわす奏法です。」
(正しくは)
「これは口蓋垂(ノドチンコ)を息の流れによってふるわす奏法です。」
 紙面を借りてお詫び申し上げます。
 
(玉音の具体的練習法)〈『尺八吹奏法Ⅱ』より転載〉
 ここで述べる方法は私が「玉音」を修得した経験より述べますので、まだまだよい方法があるかも知れません。
 その方法と言うのが「うがい」による方法です。
最初十分な量の水でうがいをします。
そして毎日少しずつ水の量を減らしていくのです。
あわてず、出来なければ出来る量の水でうがいをします。
それを数カ月続けます。
最終的には、全く水無しでうがいをしているときのノドチンコの動きを獲得するのです。
 
 私は2、3カ月毎日毎日うがいを続けました。そして、最後には水無しでうがい時のノドチンコの動きが再現できるようになりました。
 人によっては数週間で出来るでしょうし、また1年以上かかるかも知れません。いずれにしても必ず出来ることと思います。
 この時獲得したうがい時の「R]の発音は身についていまして、後からフルートを習っているときにたいへん重宝いたしました。
 
 そして、このノドチンコの動きが身につきますと、その動きを前の方へ持っていき、鋭い「玉音」も出せますし、もう少し奥で震わせますと猫みたいな柔らかい「玉音」も出ます。(猫の名前に「玉」が多いのはそのせいでしょうか)
 
さて以上を音声で確認してみましょう。

 まず、分かりやすいように、声を伴って出します。
「ウルルルルルルルルル・・・・・・・・・」
声が高くなると振動の位置が前に来たように感じます。
 ※No.327玉音_音声 1
http://www.jm3.org/bmbnt/music/327-0001tamane.mp3
 次に、実際に尺八の音を出しながら玉音にします。
「りrrrrrrrrrrrrr・・・」
 すべての音を玉音にします。
 リチレツロ(乙)ロツレチリロ(甲)ツレチヒハ五
 ※No.327玉音_音声 2
http://www.jm3.org/bmbnt/music/327-0002tamene.mp3 
 さらに、玉音が使われる琴古流本曲『巣鶴鈴慕』の一部
① ヒ五~ヒメ~ツツローーーー
② 甲ヒメ-〃チ ウウチ ウ二三ーーーーーーー
 ※No.327玉音_音声 3
http://www.jm3.org/bmbnt/music/327-0003tamene.mp3 
 最後に、琴古流本曲『巣鶴鈴慕』(抜粋)を節残し・地無し延べ竹一尺八寸(河野玉水作)でお聴き下さい。
なお、この音源はCD「地無し尺八による琴古流本曲集」よりの転載です。
 ※No.327玉音_音声 4(巣鶴鈴慕)
http://www.jm3.org/bmbnt/music/327-0004soukakureibo.mp3