会報 No.38

報告 「三節切は円錐管である」と神田氏よりご教示がありました。 貴志 清一


 「琴古流尺八史観」を読むC(最終回){「浮世床」に現れたる「尺八指南」}の中で私が勉強不足で間違った記述がありました。「尺八通信」も出していらしゃる尺八研究家の神田俊一氏より丁寧なご教示がありましたので報告させて頂きます。


 問題の箇所は以下の通りです。

 専門的になりますが一節切や三重切りというほとんど円柱に近い楽器は開口端補正が効かずオクターブに違いがでますし、音律調整も難しく筒音を出すにも余計な長さがいります。誰が考えたか7節の尺八は「喧嘩尺八」であたかも喧嘩の道具のように言われますがこれはたいへん音響学的に言って合理的です。
 
 このほとんど円柱に近いが間違っております。結論から言いますと、三節切も尺八と同じく円錐管なのです。

 神田俊一氏のお便りをご紹介させていただき、正しい内容に代えさせて頂きます

「三節切について誤解されておられるようなのでお便りします。」


 7節の尺八が円錐であるなら、三節切も円錐です。一節切は本末が逆ですから、管尻が広くなるのでしょうが、一節しかないため「ほとんど円柱」としてもいいでしょう。
 三節切は歌口から管尻までに三節あるため約2mm管尻が狭くなります。古管で現代の吹き方でも良くなる竹が、
 歌口−管尻=2〜3mm狭いことからして、三節切というのは極めて合理的な楽器で、根節を使ってもこの形を模倣しているわけです。(甲乙も出る)


 一節切より細い三節切もありますがオクターブは大丈夫です。
 江戸時代の尺八は一尺六〜七寸の細管が多いのですが、5mmくらい管尻が歌口より狭いと現代の吹き方ではなかなか鳴りにくいものです。


 7節の尺八の出現は何らかの理由があると思います。たとえば、


@管尻の径を製管者の自由にしたい。つまり狭めたい。これは当時の吹き方を考えたらいいと思います。
A形が良くなる。
B喧嘩道具として便利 ETC.
 古管で、管尻に象眼したものが多くありますので@の可能性が高いと思いますが、地域によって、時代によって吹き方に違いがあるのではないか。外曲を吹いてきた人で古管を吹けない人がいるのはそのせいでしょう。

●以上たいへん有益なご教示を頂きました。紙面をお借りして御礼申し上げます。
 また、会員の方には不正確な内容を掲載しましたことを深くお詫び申し上げます。


尺八吹奏研究会ホームページに戻ります

尺八音楽のより一層の普及・発展のために本研究会を発足させていただきまし た。
尺八奏法に関して、全国の尺八愛好家の皆様の意見交流の場ともしてゆきたい と思います。
ご意見・ご質問・情報・論説をお持ちの方は是非下記にご連絡ください。  


事務局・責任者 〒590-05  大阪府泉南市岡田2−190  貴志 清一