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    琴:尺八=8:1、音量で降参!   貴志清一

 前回も無観客コンサートの記事でしたが、今回も2020.7.18に実施しました無観客おさらい会の報告です。

 現在わたくしは邦楽合奏の指導を3つしています。本当は4つなのですが1つはコロナ・ウィルス騒動にて休会になっています。
 指導と言っても大それたものではなく、自分の尺八の相手をしてもらってるお琴の先生とそのお弟子さんの三重奏指導(邦楽グループ"里の秋")
 現代曲をお互いに勉強しましょうかという軽いところから始まった邦楽三重奏"春風"
 そして社会教育の一環として貝塚市立山手地区公民館の邦楽クラブ"桜"の3つです。

 上の2つはその発足からして講師料はありません。また3つめは公の活動のボランティアですので交通費程度です。
 一見、無駄働きのようですが指導に行って音楽の話をするだけでも自分のプラスになり、ひいては将来の自分自身のボケ防止にもなるかなと頑張っています。

 さてこのうちの公民館活動の邦楽クラブ"桜"の無観客おさらい会が先日ありました。
 全員合奏の曲は2曲であと数曲は各パート1名のアンサンブルです。
 この中で合奏用に編曲した「春の海」は十七絃も入り琴は7人、尺八1人でしたので音量的に厳しいものがありました。
 全体として尺八の音が小さく聞こえてしまうのです。
 ただ一尺六寸管は一尺八寸管に比べてやや鋭い音が出ますので何とか旋律線は消えませんでした。
 しかし終曲の「'さくら'によるエチュード」には参りました。

(音源:「'さくら'によるエチュード」)
http://www.jm3.org/bmbnt/music/419-sakura_etude.MP3

 もともと琴:尺八=1:1の二重奏曲ですので普通に吹けば十分良いバランスで演奏できます。
 しかし今回のように琴8面で尺八1本では「尺八、鳴っているの?」となります。
 それを避けるために私の良く吹ける弟子と2人で演奏予定していたのですが通勤路線の駅でコロナ感染者が出たということで急遽不参加になりました。
 一尺六寸管に比べ標準管は落ち着いた音ですので、どんなにあがいても琴の響きの中に潜ってしまいました。
 音響機器を用意してマイクで音を拾ってもらって専属の音響担当者が上手く音量バランスを取ってくれると一番いいのですが、そんな機器や経費はどこにもありません。
 音源をお聴きいただいてわかるとおり、全くの音量不足。降参です。
 プロでやってらっしゃる尺八奏者は生活がかかっていますからあらゆる要求に応えなければいけないので嵐のような音量練習もしているでしょう。
 かなり前ですが、あの響きの悪い大阪文楽劇場で琴50面ほど、マイク無しの尺八1本という演奏を聞いたことがあります。
 関西のトップ・プロの永広孝山さんが吹いていましたが、何とそこそこの尺八の音が聞こえました。プロはすごいな!と思った記憶があります。

 しかし尺八は音量ではないでしょう。尺八は心に染み入る音色が命だと私は思っていますので、これからも無理なff(ホルテッシモ)=最強音の練習はしないで昔の尺八家が言う「音味(ねあじ)」を追求していきたいと思っています。