会報 No.46

会員からのお便り紹介特集2 

(本会員 小出氏からのご教示)

地歌の尺八演奏について

 会報72号の「都山流と地歌演奏」の記事を拝見いたしました。以下、私の思うところを述べさせていただきます。
 
私は琴古流と都山(上田含)流の差は古来の日本旋律に基づいて吹奏されているか否かの差と思います。換言すれば前者は尺八古典本曲の手法を用い後者は都山流本曲の手を用いているところに根本的な違いがあると思います。

 地歌の尺八は元もと三絃からとったものと思いますがその三絃も地歌ばかりでなく、小唄・端唄等も一つの法則があり、特に上行・下行旋律に特徴があるのです。

 この扱いに両流の差があり「都山流の耳障り」なる言葉が出てくるのでしょう。すなわち、この上行・下行旋律で、古来の日本旋律では「すり上げ」はあるが「すり下げ」は原則としてないはずです。ところが

都山系楽譜は例えば、 レ チ を レチレ チと上行し

琴古流は レチ チ と奏します。

下行も同じで都山系楽譜は、 レチレツ  

琴古流は レーチ ツメ です。

ご承知の通り ハヒハロ も ツレツレ も同様でこれらの節が一曲に

何十カ所も出てきては賑やかすぎて味が失われてしまいます。
 さらにこれに民謡的な手も加えて吹く人もいるようです。
 最近の都山系名士はこのような節を上手く吹き変え琴古流寄りの感じを受けますが、それが正式なら譜を改めることが先決とも考えられます。
 もう一つ大事なことは都山系の地歌は古典的な独特の味がないように感じます。特に半音の扱い方(メリ込み、落とし、折込等)や音の終末処理等、諸手法を十分に駆使し繊細且つ微妙な音律の”型”が都山系にはもう一つ窺えないようにも思えます。
 私はこの意味で地歌を吹くなら「一二三鉢返し」の曲がもっとも基礎になるものと思っています。
 結論をいえば、流派を問わず地歌を吹くなら地歌の生い立ちを十分極め、日本古来の独特の旋律を学びそれを生かす吹奏を研究するのがよいと思います。

 


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