会報 No.53  

 新年 明けましておめでとうございます。

  本年も尺八吹奏研究会が尺八音楽向上に貢献できるよう努力してまいりたいと存じます。

尺八吹奏研究会 代表 貴志清一 

楽器の善し悪しについて

貴志清一

本会会員の方よりのお手紙です。

 「会報79号のI氏からのお便り、小生も以前から尺八の鳴りの善し悪しが楽器自体による部分が重要だと思っていました。山口五郎先生外、一流の先生方の尺八は楽器そのものが技量と共に良質なものであると思います。高価な尺八は音も出やすく響きもよいようです。」

 さて、本会報79号にも楽器の善し悪しについて短いコメントを載せました。

「鳴る鳴らないのは楽器の構造もかなりの部分で関係がある」というのは本当だと思います。私は楽器にはほとんど問題のない竹を使っていますので鳴らないのは99l自分の演奏上の問題となると思っております。

 ただ“良い音で鳴りやすい楽器”が最上で名人の使っている楽器がそうであるというのは言えないのではないでしょうか。

 私の先生、松村蓬盟師の竹は有名な山口四郎の尺八です。そして、出る音は本当に虚空に響きわたる独特な音色です。山口五郎師もお父さんの竹を使っているかどうかは存じませんが、本当に山口四郎師の竹はいい音がします。 かねがね「四郎師の竹で吹くと私でもいい音が出るのだろうなあ。」と未熟者の浅はかさで考えておりました。お稽古で楽器の話になったとき「一度この竹を吹いてみて下さい。」とその四郎師の尺八を吹かせていただきました。

 私の出した音はどうでしたでしょうか。どう思いますか。

 結果は悲惨でまるで響きが悪く初心者のような音でした。 先生も分かってらっしゃるらしく、「吹きにくいでしょう」と言われました。

 そういえば、先生は“全身を蛇腹のごとくイメージして吹き込む”とかねがね仰います。 そういうことなのです。決して吹きやすく、すぐにいい音が出るのではないのですが上手な人が全身全霊を込めて鳴らしますとすばらしい音が鳴るのです。 このことを目の当たりにして「名管は必ずしも鳴りやすいものではない」事を実感しました。

 それ以来、一城師の良い竹を持っているのですから、ひたすら自分の音色を鍛錬するようになりました。  ただ、私としましては未熟ですのでとても四郎師のような竹は吹けないし、また六寸管で新曲も吹きたいので「比較的鳴りやすい竹」を使っています。

 ですから、名人が使う程度の竹は響きはいいですが、必ずしも「音も出やすく」ではないようです。

 それから「高価な尺八」必ずしも「音も出やすく響きも良い訳ではありません。」中には“見た目の美的価値”で高価かも知れないのです。 その意味では購入時に第三者的な鑑定の出来る演奏家の付き添いが絶対必要になると思います。

 こういう話を述べていくと切りがありませんが、最後に私の尊敬する製管師の小林氏の言葉、

「山口四郎さんのような竹を作っていると(売れなくて)この仕事をやっていけませんね。」は心に残っています。

 【演奏会のお知らせ】

尺八吹奏研究会 第2回

貴志清一演奏会

 

協賛出演 尺八 : 浦口康澄 ギター:大脇健五

     チェロ:西規子  ヴァイオリン:貴志千佳子

 日時 :2000年3月5日(日)午後2時開演

 所 :愛ランドハウス

   (泉南郡田尻町、田尻歴史館 0724-65-0045)

 ○曲目

(第1部)琴古流尺八本曲の調べ

連管「山谷菅垣」(貴志、浦口)

  「巣鶴鈴慕」(貴志)

連管「鹿の遠音」(貴志、浦口)

(第2部) ヴァイオリン・ギター・チェロの三重奏曲

「ボッケリーニのメヌエット」

「タイスの瞑想曲」

その他

(第3部)日本歌曲による歳時記12ヶ月(12曲)

     (尺八・ギター・チェロ)

    4月「花」〜〜〜〜3月「早春賦」

  ○入場料1000(開場準備の都合で、当日券はありません。)

※6才以下のお子様のご入場は固くお断りいたします。

チケット取り扱い:

「第2回演奏会希望」とハガキに明記しご投函下さい。

折り返し入場券を送付いたします。(平成12年1月より受付)

代金は当日、受付でご精算下さい。

 ※万一、満席の場合はご容赦下さいませ。

〒590ー05大阪府泉南市岡田2ー190 

 尺八吹奏研究会 貴志清一 迄。

(telでの受付はありません)