会報 No.63
間取りやリズムの上達法
貴志 清一
 北海道の本会会員さんより、“間取りやリズムが良くなる特効薬があれば教えてください”とのご質問をいただいました。
 
 良いリズム等、こういう類の音楽性に関するものはなかなか文章を読むだけでは身につきません。
 文章では、本当に大事なことは伝えられないのです。
 たとえば野球の技術書はたくさんあり、ボールをジャストミートする方法は書いてはいますが、その本を百回、千回読んでもバッティングは上達しないでしょう。
 よいコーチについて千回、万回自分で工夫しながら練習することでやっと身に付くことですが、それでもプロのレベルに達するのは才能に恵まれた極めて一握りの選手に限られます。
 音楽も身体を使うものですので、ご質問の間取りやリズムの上達もこの野球の話と同じようなものです。
 すなわち、良い師匠について何千、何万回と練習曲や普通の曲を吹くことによって得られるものです。それでも万人が認めるすばらしい間やリズムを身につけられるのは何万人に一人の割合でしょう。
 取りあえず、今の自分の間取りやリズムを少しでも良くしようと言うのであれば、私は以下のことを提案します。
 ○リズムを良くする本探しを100時間するよりも、100時間尺八を注意深く吹く方がよい。
 ○本当によいリズム感を身につけたいなら、本当に良いリズム感で演奏できる師匠を見つけ、強引に教えを受ける。
 ○それと平行して、尺八に限らず良いリズム感で演奏しているCDなどを何百、何千回と聞く。
(頭がおかしくなりそうな時はやめる)
 
 因みに、私が尺八の演奏家で“素晴らしくいいリズム感”で演奏していると思う方は故山口五郎氏でした。生前、一度でも教えを受けたかったのですが、残念ながら東京と大阪という地理的なもの、そして私自身の時間と金銭的なものの問題があり叶いませんでした。
 しかし、私の10年来の師匠は、私よりも何百倍も良いリズムで地歌を演奏されます。M師から得たものはリズムに限らず計り知れないほど沢山あります。
 地方ですと師匠探しが大変だとは存じますができるだけ機会を見つけて立派な師匠におつき下さい。