会報 No.67
 
 
自分の口と尺八の歌口
「尺八吹奏法T」実演CD
「2管を吹くためのウォーミングアップ」紹介)
貴志 清一
 会員の方より「自分の唇と尺八の歌口は、プロの演奏者でも、自分の本来の当たり具合と異なっていても問題はないのでしょうか。」とのご質問をいただきました。
 
 私個人としての、結論を言います。それは、以下の通りです。
「少々自分の当たり具合と歌口が異なっていても、練習と工夫で克服する覚悟を決めると、自ずから道は開ける。」
 
説明に入る前に、この問題の解決に役立つCDを作成しました。これは「尺八吹奏法T」付録の「毎日のウォーミングアップ」を一尺八寸、六寸の2管での実演と参考曲「鹿の遠音」、「荒城の月幻想」を収録しております。
 本CDをお聞きの上、以下の文をお読みいただければよく理解できるかと存じます。(申込要項は文末)
 
 尺八は自分の本来の当たり具合と異なっていると、おそらく問題はあるでしょう。しかし、それは練習によって克服すべき課題です。練習を積めば「この程度ならば、製管師さんに変形してもらうほうがよい。」ということもわかってきます。
 ただ、あまりにも自分の口に合う尺八を求めすぎないでください。そして、自分の口に完全にある尺八など、世界のどこを探してもないと思ってください。
 尺八吹きは残念ながら少なくとも2種類以上の尺八を吹かなければいけません。六寸、八寸、二尺四寸の3本を吹くには、三本とも似た歌口にするのはよいとして、そのあと、八寸だけ練習すれば他の2本は鳴るというのではありません。
 三本吹くには、3倍の練習をしなければならないという覚悟が必要なのです。そう思って時間をかけて練習していますと、不思議に3本に共通の自分の口(アンブシュア)が見えてくるものなのです。
 海童道祖のCDを聞いてください。3本はおろか10本近くの全く違った竹を吹いています。しかも物干し竿を単に切った竹、3尺にもなる、もう口が埋もれてしまいそうな歌口の直径の孟宗竹、それに中指ほどの小竹。そんな竹をびゅうびゅう吹いているのです。
 少々自分の口に合ってないからという悩みは、きっぱりと捨てましょう。
 ”自分の口に合っていそうな”竹で十分でしょう。信頼できる製管師さんならうまく整形してくれます。そのあとは自分の努力です。
 偉そうなことを言いますが、これは恥ずかしいながら私が20余年かかってやっとわかったことです。皆様方は私のように、「完全に自分にあった竹など存在しない。」という単純明快なことを理解するのに20年もかけないでください。
 とにかく、練習しましょう。2管を吹くなら、2つの別の楽器を練習する覚悟で2倍練習しましょう。
 2管とも吹きたければ、うまさは半分になっても我慢しましょう。一尺八寸管がふければ六寸管は吹けるという甘い考えは今すぐ捨て去るべきです。その捨て去った後から道は開けると思います。
 文意が伝わるかどうか心配ですが、私の言うところの意をくんでくださいますようお願いいたします。
 
【音源資料CD紹介】
名称 : 尺八「2管を吹くためのウォーミングアップ」
作成理由:会員様、および各方面より「尺八吹奏法T」中のウォーミングアップの実演を聞きたいとのご要望があり、また、一尺八寸、六寸を同時に上手く吹くための手立てになると考え作成しました。
頒価 : CD1枚\1,000(送料サービス)
申込法: 葉書に「住所、氏名、入用枚数」を記入の上、「2管のCD希望」と明記し〒590ー0531 大阪府泉南市岡田2ー190 
  尺八吹奏研究会 貴志清一 宛、ご投函下さい。
入金方法:CD到着後1週間以内に1枚につき1000円を郵便為替等によりご送付下さい。
※冊子「尺八吹奏法T」(\500)もご希望の場合はその旨お書き下さい。
お願い :このCDは個人制作により枚数が極めて限られておりいます。
先着順に発送いたしますが、お送りできない場合も予想されます
万一お送りできない時は、その旨ご連絡いたしますが、その節は何卆ご了承下さいますようお願いいたします。