インターネット会報2002年5月
【論説】
ピアノと尺八について
貴志 清一

私はずいぶん前から西洋楽器のもっとも近代的な姿を持つピアノと、日本のもっとも伝統的な尺八とは合奏不可能だと思い続けてきました。 戦後、邦楽器を使った創作器楽曲でピアノと尺八という組み合わせが実験されましたが、それらの作品はあまり聞かずに頭から“尺八とピアノは合わない”と考えてきました。 もしかしたら、私と同じような考えをお持ちの方もいるかもしれません。 

さてこの度、縁があって私の住む大阪府泉南地域の福祉委員会の敬老会から演奏依頼をいただきました。対象は地域のお年よりで、何かみんなが楽しめる尺八音楽をということでした。 いろいろ考えまして、懐かしのメロディーということで5曲えらびました。伴奏には諸事情でピアノということになりました。 ところが、わたしの頭の中にはピアノと尺八は水と油のようなものという考えがよぎりました。 
しかし、よく考えてみるとピアノと尺八は「合わないものでもない」という考え方もできるのです。 まず、日本的な音楽である演歌や流行歌がピアノやオーケストラの伴奏で歌われています。しかもその種の音楽は全然違和感がありません。 日本人の声が西洋の楽器の伴奏で違和感を生じないのだから、日本の尺八という楽器も歌のように扱えば違和感を生じないのではないかということです。   

さて当日は、音量的には尺八はピアノにかないませんからマイクを用意しました。そして、ピアノは伴奏に徹してもらいました。また、聞いていて飽きがくるといけないので2コーラス目はピアノの旋律にしました。 
曲はもちろん日本語の歌詞の歌で、曲目は以下の通りでした。
1.長崎の女 2.船頭小唄 3.岸壁の母 4.からたち日記 5.上を向いて歩こう 

2002年4月29日のみどりの日が本番でしたが、会場に来ていただいた100人以上の皆様には、よろこんで頂けたようでした。 私の演奏技術の善し悪しは別にして、尺八とピアノというのはある条件のもとでは大変よく”合う”ということがわかりました。 今回の試みから、“自分は本曲しか吹かないぞ”というふうな考え方もいいのですが、私に関しては“いろんな分野で尺八を試してみる”ことの大切さがわかりました。 そして、そういう柔軟な考え方が尺八というすばらしい楽器を長く存続させるのではないかと考える次第です。 参考としまして当日の演奏の様子を録音したCDを用意しております。 会場の雑音や、会場の方の歌声等がまざり、たいへんお聞きぐるしいですが、もしご参考として希望でしたらお申し込みください。

【音源資料CD入手法】
名称 : CD「ふれあいの集い 尺八演奏」
頒価 : CD1枚\500(送料込み)
申込法: 葉書に「住所、氏名、入用枚数」を記入の上、    「ふれあいの集い尺八演奏希望」と明記し   
〒590ー0531 大阪府泉南市岡田2ー190   尺八吹奏研究会 貴志清一 宛、ご投函下さい。
入金方法:CD到着後1週間以内に1枚につき500円を郵便為替等によりご送付下さい。
お願い/ このCDは個人制作により枚数が極めて限られておりいます。先着順に発送いたしますが、お送りできない場合も予想されます。万一お送りできない時は、その旨ご連絡いたしますが、その節は何卆ご了承下さいますようお願いいたします。