インターネット会報 2002年11月号(元会報166号)

【ご質問に答えて】(本会会員K氏よりのご質問)  

六寸管について質問します。 尺八を習い初めて約3年たち、最近先生に勧められて六寸管を練習していますが、私 は六寸管があまり好きではありません。  音色が甲高いようですし、音域も一尺八寸管にくらべて一音(2度)高いだけだと 思うのですが、六寸管の尺八(尺八と言うべき?)の良さは、あるとすればどういう ところにあるのでしょうか。

一尺六寸管の特性                             貴志清一
一尺六寸管は尺八と呼べるか?という風な個人の好みによって判断が変わってくる 根本的な問題は、ここでは避けます。  とりあえず私が考えています六寸管の特性を列挙しますと、
@音が甲高いが、その分音がはっきりと出る。
A八寸管よりも指の運動性が向上し、多孔にすると極めて早い音型も吹奏できる。

この2つですが、これは特性であり良しとするか、悪しとするかは演奏者や聴衆の好 みによります。 【悪しとする人の言】 @は、音が甲高いので耳障りである。また、フルートのような音色に近くなるので深 みがない。 Aは、指の運動性が向上する分、西洋の楽器のようになり、尺八で演奏する意味がな い。 【良しとする人の言】 @音が甲高く、はっきりしてフルートのようでいい音である。 A指の運動性が向上し、早い曲も楽にふける。  私は、どちらかというと今は【悪し】とする考えに近いのですが、いまから15年 ほど前はこの六寸管が大変おもしろかったのです。  特に指を早く回す快感というのは魅力的で、また、聞いていても楽しいものです。 そのころ「春の海」はもちろん大好きな曲でしたし、宮田耕八朗氏の「雨の水前寺」 もよく吹きました。
(ご参考までに、私がそのころ岡山邦楽合奏団の定期演奏会で吹かせていただいた 「雨の水前寺」所収のCDを進呈します。お聞きくだされば、当時、六寸管に情熱を 燃やしていたことがおわかりになると思います。)   しかし、そのころから習い始めていた琴古流本曲が奥深く、しかも松村蓬盟先生 (山口四郎先生のご門弟)という素晴らしい先生に巡り会えましたので、自然と琴古 流本曲を吹くのが中心になり現在に至っております。  まだまだ修行の途中ですが、未熟も省みず作ったのが「CD演奏会用尺八本曲集」 (現在、絶版中)なのです。  個人的な経験を並べてしまいましたが、六寸管も「春の海」のような曲を吹くには 適していますので、まだ3年の尺八歴ですから勉強と思って六寸管もお吹きになると よろしいかと存じます。