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インターネット会報2003年11月号  

その後の、「ユニバーサル・アンブシュア 」 舌乗せ吹奏法は門外不出の秘伝」でなくなった頃でしょうか。  貴志清一  

会報 No.76 ユニバーサル・アンブシュア「門外不出の秘伝」の意味するところ (2002/01/01)という論説をインターネット会報に掲載して一年半が過ぎます。  繰り返しになりますが、ユニバーサル・アンブシュアとは、音を出す直前に舌先の表面部を下唇の裏に触れさせて、それを離すと同時に音だしをする私個人のための技法です。  私に限っては、そうすることによって、あらかじめ下歯を息の流れを乱さないような位置に置くことができるのです。  ただし、音が出た後はいつまでも舌先の表面部を下唇の裏に触れさせていると息の自由なコントロールを阻害しますので、小さい音以外は舌先を下唇裏から離しておきます。それでも、小さい音などはこの「舌先を下唇裏に触れさせている状態」の方が音が安定します。  つまり、音が出る直前に舌先の表面部を下唇の裏に触れさせることにより、下歯が息を乱さないようにするのです。  結果的には、ある種の伝承である「秘伝中の秘伝=舌を下歯の上に置いて吹く」と、このユニバーサル・アンブシュアは、下歯による気流の阻害を最小限に抑えて、力強い、それでいて艶のある音色、それに自由な音のコントロールを得るための技法であるについて、共通です。  このユニバーサルアンブシュアは、私自身のために、自分自身が課した課題ですので、ここ2年ほどは意識して練習してきました。

 私の演奏会にお越しになられた方はご理解いただけると思うのですが、音を十分出し、少々早いパッセージの現代曲の音のコントロールも可能になって参りました。勿論、同日に、一尺六寸、一尺八寸等の複数の尺八を吹くことも可能になりました。  これも、ユニバーサルアンブシュアの効果だと思います。  ただ、尺八は単に音が出て、乙音から大甲まで自由に音がコントロールできたらそれでお仕舞いというものでは決してありません。  むしろ、そこから始めて尺八の難しさが始まるのです。

・朗々とした音に、いかに生命を感じさせるユリ(ビブラート)をかけるか。
・いかに、深い味わいのある、それでいて艶のある音色を獲得するか。
・どんな難しいパッセージも音楽的に演奏できるか。等々  

そんなことを考えながら、未熟ながら毎日細々と練習しているこの頃です。  実際のユニバーサルアンブシュアにご興味のある方は、もしくは「尺八は、乙音から大甲まで自由にならすだけなら、決して難しくない」ということを確かめたい方は、ご来阪の折りお立ち寄りください。  最後に、尺八は大変興味深い楽器ですので、お互い、長く続けたいものだと存じます。