
1.予算はいくらか?
8J3RPFのアンテナを設置するにあたり、検討事項はいくつもありました。
まず、設置場所が国有地、それも重要な文化財上に設置するということ、期間中に事故があってはならないこと、イベント後で撤去しなければならないので、撤去し易いことも課題でした。
そして、運用委員長から予算と必要なバンド、工事の完了期限の説明を受け、早速検討作業に入りましたが、タワーを含めアンテナ系を全部購入していくと予算の2倍にも達し、初期段階から難問を抱え込んでしまいました。(コマッタコマッタ!!)
そこで、最初にクラブ員から借りられるものをリストアップしました。それでも、予算をはるかに超えるため、検討を重ねた結果、アンテナは(株)ナガラ電子工業さんから無償貸与を受け、メインタワーはリース、サブタワーとルーフタワーそれにローテーター等はクラブ員のものを借用することでなんとか予算面をクリアできました。
次に、開局は3月29日ということでありましたので、27日に電監検査、タワー及びアンテナの設置工事の最終期限を21日と決め、逆算して3月10日に基礎工事、19日にタワー及びアンテナ設置工事を行うスケジュールを組みました。基礎工事とタワー建立はプロへ委託、タワーとアンテナ組立はクラブで行うことになりました。設計から竣工まで20日間しかないとう超ハードスケジュールです。(これはほんとに苦しかった!)
タワー及びアンテナの設計図面を最初に作成しました。まず、現地で測量を行いタワーの位置決めを行いました。ポイントは万一倒れてもパビリオンへ被害を及ぼさないこと、生コン車とクレーンが入りやすいことでした。
CD社のタワーがクラブへ届いたのは3月7日。直ちに基礎部から3段目までの組立作業に入りましたが、クラブ員が集まれるのは午後7時頃。寒風の中、投光器を灯け深夜まで何日間かに分け組み立て作業を行いました。(11時になると手もしびれてきました)3月8日は奈良県文化財研究所の立ち会いのもと基礎部、ステー部の杭打ち作業を行いました。このときは、設計図面に基づき、土木工事で使用するトランシットという測定器を用いて正確に位置決めを行いました。
基礎工事の日はあいにくの雨。しかしプロの手際よい作業で、8ヶ所の穴掘り、生コン打ちも1日で終わることができました。ただし、このとき設計図面では基礎を1.2m掘ることになっていましたが、試掘で丁度1.2mのとき1300年前の草?が出てきましたので、奈良県文化財研究所の指示で基礎の深さを90cmへ変更しました。(土器など出てきたらもっとえらいこっちゃ)また、コンクリートを地面へ染み込ませないためと、撤去作業が少しでも行いやすいように、基礎穴は水平をとり、次にブルーシートを敷き、その上に底のある木枠を置いて、その中へ硬化の早い生コンを流し込むという工法を採りました。
基礎工事の後はタワーの上段部の組立とアンテナの粗組立の作業に取りかかりました。これもクラブ員がそろってからの作業で、連日深夜までかかって行いました。アンテナは部品が混じりあわないようにと、部品1点1点に油性のマーカーペンでアンテナ名を記入しました。こうすることにより、アンテナ分解時もスムーズに作業できました。
3月18日に、分割されたタワー上部、アンテナを現地へ搬入し、タワーを一体化しました。19日のタワー、アンテナ工事日は寒い上に強風というあいにくの天気でした。この日参集したクラブ員は15名。(おおっ、クラブの結束は固いか?)
大型アンテナの工事を行った者もいれば、そうでない者もおりましたので、その場で作業分担を決め、監督の指示のもと作業が始まりました。
まずメインタワーの建設作業です。クレーンで一体化したタワー上部をつり上げ基礎部と連結。ついで3本のアンテナが取り付けられたマストをつり上げローテーターと連結。3本のアンテナの間隔と方向を調整して固定。ステーの張っていないタワーは、上部では大変揺れ、強風と相まって危険な作業でした。
(タワーは16m、タワーに登っているクラブ員3名が風でフラフラと気持ちよく?揺れている光景は未だに目に浮かびます。ほんとに無事でよかった。)
最後にタワーにステーを取り付け、ワイヤーアンテナを張りました。クラブ員自作の移動用のクランクアップタワーは、ローテーター、アンテナを最初に取り付け、タワーごと人力で起こし、落下防止策を講じステーをとりました。
一方、2本のタワーの工事と同時進行でシャック屋上にルーフタワーの取り付けを行いました。この時点でクラブ員の体力、気力が限界になっておりました。(みんな、そんなに若くはないぞ!)
そこで、同軸ケーブルへのコネクター付けとワイヤーアンテナ調整は21日へ持ち越すこととなりました。21日にコネクター取り付け、3.5MHzI.Vの調整を行い、建設作業はやっとすべて完了しました。
(そびえるタワーを見ながら飲む缶ビールorウーロン茶は最高でした。)
そして、51日間、大したトラブルも無く、21,944局との交信ができました。
6月4日に今度は撤去作業。この時も15名のクラブ員が集まり、クレーンを使っての作業で半日で無事終了しました。アンテナはエレメントを1本ずつ丁寧にウエスで拭いて、元の箱へ梱包してナガラ電子へ、タワー、その他のクラブ員から無料借用物もすべて、返送、返却いたしました。
ひとつのイベントが終わって、各自の感慨は少しずつ違いますが、8J3RPFはクラブ員に新たに大きな力を与えてくれたように思います。
最後に、クラブ員以外にも建設作業に協力していただいた各局、本当にご苦労様でした。
(8J3RPF 記念誌より転載)
